概要
イライザ・ドゥーリトル(Eliza Doolittle)とは、ジョージ・バーナード・ショーの戯曲『ピグマリオン』およびそのミュージカル版『マイ・フェア・レディ』に登場する人物。
ロンドン出身のコックニー訛りが特徴の花売り娘。言語学者ヘンリー・ヒギンズ教授との出会いを通じて、上流階級の女性としての言葉遣いと振る舞いを身につける。人間のアイデンティティは外見と振る舞いで決まるのか、という当時の階級社会をテーマにしている。
登場作品
- 『ピグマリオン』(1912年)
- 『マイ・フェア・レディ』(ミュージカル、1956年)
など
後世への影響
イライザ・ドゥーリトルのキャラクターは、舞台や映画で多くの女優によって演じられてたが、特にオードリー・ヘプバーンによる映画『マイ・フェア・レディ』での演技が特に賞賛され人気が高い。Pixivに投稿されているのもヘプバーンの衣装が多い。
1966年に計算機科学者ジョセフ・ワイゼンバウムに開発された自然言語処理プログラム『ELIZA』はイライザ・ドゥーリトルにちなんで名付けられた。「ELIZA」は初期のチャットボット(人工無脳)で、人間のセラピストを模倣し、単純なパターンマッチングで応答を生成するプログラムだったが、このプログラムに過度に入れ込む人間が多数出てきた。このELIZAを用いた研究により、人間がコンピュータの応答を人間らしいものと誤解し、無意識にコンピュータに感情や意識があると錯覚する心理現象にイライザ効果という名前が付いた。
長谷敏司の小説『BEATLESS』に、超高度AIヒギンズに政治家アンドロイドとして開発されたイライザが登場。本作には上記のイライザ効果に類似した、人間の心理的盲点を狙ってコントロールするアナログハックという概念が登場する。