「お電話ありがとうございます、便利屋でぇす」
概要
ニコラス・ブラウンと共に便利屋を営む男。便利屋業の傍ら、週末はジゴロとして客を取っている。
アレックス・ベネデットを「戦利品」として保護した本人。
外見
アッシュブロンドの長髪と体毛が特徴的な白人男性。フランス系イタリア人をイメージしてデザインされている(作者談)。左目を過去の事件(後述)の際に失明しており、黒い眼帯を着用している。
愛飲の煙草はポールモール(赤)のソフトパッケージ。M1911(コルトガバメント)を獲物としている。両肩甲骨上部にはニコラスと同じモチーフのトライバル(刺青)が見られる。
人物
便利屋の営業担当。アレックスがやってくるまでは、電話番も彼が兼任していた。
本人はあくまでジゴロが本業であり「銃の扱いがヘタクソ」と述べているが、当てるべき的にはしっかりと当たる腕前である。その整った容姿から女性に人気があり、ジゴロとして第一線を退いた現在でも引っ張りだこ。ニコラスと共に所属していたモンロー組以前に、ビッグママ・ジョージアナが経営している娼館「PUSSY」に勤めていた経歴を持つ。ジゴロ歴は22年と長い。
基本的にニコラスは手話で、ウォリックは彼に読唇させる事で、互いにコミュニケーションを取り合っているが、必要に応じてウォリックも手話を使用する事がある。
軟派で軽薄な印象だが、時に冷徹で厭世的である。
能力
「超記憶症候群(ハイパータイメジア)」という非常に珍しい病気(実在する)であり、人間の顔や物の特徴、見聞した情報を瞬間的に記憶することができることから「ストレイジ(記憶庫)」という呼び名でも呼ばれている。その情報量は「警察のデータベースより頼り甲斐がある」と評されるほどで、チャド警部が身元の特定が困難な遺体や遺留品を元に情報提供を依頼する事も。
実質この能力により便利屋は”中立”として営業する事が可能となっており、黄昏種のニコラスよりもウォリックの方が要注意人物として扱われている。
※ネタバレ注意
過去
本名はウォレス・アルカンジェロ。
エルガストルムを囲んでいる市のひとつ、ウエストゲートにあるアルカンジェロ家に生まれた妾腹。次男として育てられるが酒乱の父親に虐待を受けており、その出自にメイド達からの風当たりも強く、心を閉ざしていた。任務でアルカンジェロ邸にやってきた「ウエストゲート傭兵隊」の少年兵であったニコラスとの出会いから徐々に心を開いていくが、後に彼が邸内で起こした大規模な惨殺事件に際して左目を失明、ある命令とともにニコラスと主従の契約を結ぶ事となる。
現在もこの関係は続いており、ウォリックは複雑な心境ながらニコラスを「相棒」「ニック」と呼び、「ダチだと思っている」と語る一方、ニコラスはウォリックの”命令”には絶対服従の姿勢を随所で見せ、従属する者として一定のラインを越える様子がない。契約は二人の間に大きな溝を残している様である。
ニコラスに手話というコミュニケーション手段と文字の読み書きを最初に教えたのは彼である。