運の悪い人は安心せよ、それ以上の悪運はないのだから・・・・
193X年9月14日13時00分
ストーリー
193X年9月14日10時15分
その日、俺は半月ぶりに恋人ジェニファーと逢う約束をしていた。
「正午には駅に着くから、忘れず来て欲しい。」と、手紙には彼女らしい簡潔な文章で書かれていた。
すると・・・
「お願いです!助けて下さい!」突然一人の少女が飛び込んで来た。
そして後を追うように数人のヤバそうな奴らが現れた。
「このままではマズイ!」
とっさに少女を抱え、愛用のムチ「クリフハンガー」を手にボートでこの場を離れることにした。
(ステージ3開始デモより)
概要
何の前触れもなく巨大な陰謀に巻き込まれた冒険野郎ランディの「史上最悪の日」を描いた痛快冒険活劇。
本作において特筆すべきは一風変わったステージ構成であり、娯楽性重視のため、何の説明もなく崩壊する基地から複葉機で脱出しながら群がる兵隊を蹴散らすステージ1から始まる。驚いたプレイヤーも多いだろう。
実は序盤2ステージはストーリー上のクライマックスからラスボス戦一歩手前までを描いており、ステージ3から物語の最初の時系列に入るのだが、
これがこのゲームを語る上で外せない代名詞「いきなりクライマックス」たる所以である。(海外版では冒頭は最初の時系列から順序通り開始される)
物語は某軍事大国に太陽光線を利用した秘密兵器開発を強要された科学者から、そのキーパーツとなるプリズムを託された孫娘シャルロッテが、
「覇怪魔人」大佐に追われてランディの家へ逃げ込んできた事で、エドワード・ランディのとんでもない一日が幕を開ける……といった粗筋になっている。
システムとしては基本的に八方向スティックと、ジャンプ・ムチ攻撃の2ボタン式とシンプルなアクションゲームながら、
ムチを引っ掛けて大回転する無敵攻撃、活躍すればするほど不死身になるスコア=ライフ制などのオリジナリティが盛り込まれており、
さらにステージはカーチェイスや空中戦など目まぐるしく変化し、ランディが地面を走るのがわずか1ステージのみというほどで、
特にモーターボートで水路を曲がったり、複葉機が回転したりといった場面は基板の性能限界を超えていたため、わざわざそのためのドット絵を描き起こしたという力の入れっぷりである。
爽快感のあるアクション、息もつかせず矢次早に挿入されるステージ演出、インパクト抜群のサブタイトル、映画さながらに印象深いBGMなど、とにかく「見る者を楽しませる」ことに主眼を置いた作りになっており、「DECOの隠れた名作」とも評される。
一方、プレイ開始直後いきなりクライマックスに放り込まれて操作もわからぬまま悪戦苦闘するハメになったり、
攻略に必須ともいえる大回転を発生させられるポイントがわかりづらいなど、慣れるまでの敷居が高く、
なかなかとっつきづらい部分から知名度が低かったのは否めず、それが「隠れた」と称される所以である。
一応二人同時プレイも可能だが、2P側は相棒やヒロインを操作するわけではなく、主人公ランディが同時に二人存在しているという謎展開となっている。
一時期、コンシューマー機に移植の話が持ち上がったが、移植委託先が業績不振で倒産したばかりか、自社までも多角経営がアダになり倒産 してしまい、企画は頓挫。結果、未だにコンシューマーゲーム機には一切移植されていない(この辺の事情が「隠れた名作」と呼ばれることに起因する)。
現在は移植に定評があるM2が現在の版権元ジー・モード社と交渉継続中であることを電ファミニコゲーマーでのインタビューで語った。
もしプレイしたいと思うなら稼働しているゲームセンターを探すか、JNNEX製レトロゲーム専用機「レトロビット・ジェネレーションⅣ」に収録されているものを遊ぶのが良いだろう。