概要
M50オントス自走無反動砲は対戦車車両として1950年代に開発された。M40 106mm無反動砲を6門装備している。
本来対戦車用として開発されたが、本来の仕事である対戦車戦闘がされず、いろいろかわいそうな奴。
何故そんなことになったかというと、オントスは6問もの無反動砲による強力な火力を持つ反面、再装填機構を持っていなかった。つまり、発射するごとに搭乗員は車外に出て人力で再装填しなくてはならなかったのだ。
さらに、無反動砲を固定している砲塔の旋回まで人力であったため、精密射撃が不可能であった。
よって、オントスが戦車を撃破するためには標的の戦車に肉薄する必要があるが、車両である以上目立ち、かつ防弾能力が不足しているため逆に容易に撃破されてしまう。
よしんば戦車に気付かれず接近・攻撃に成功しても、弾丸が飛び交う戦場で下車・再装填・搭乗などできるはずもない。
オントスは対戦車兵器を持ちながら対戦車戦闘には不適という欠陥兵器として廃れたのである。
その後はより射程が長く、歩兵や軽車両でも運搬・運用できる対戦車ミサイルの発達もあり、同種の兵器は開発されていない。
ベトナムでの(意外な)活躍
しかし、オントスはベトナム戦争において意外な活躍を見せる。
市街地での戦闘では小柄なオントスは取り回しが良く、対戦車用としては頼りなかった無反動砲も、歩兵砲としては大いに威力を発揮し、「歩兵支援」に駆け回ったのである。
詳細は60式自走無反動砲も参照のこと。
関連タグ
60式自走無反動砲:日本の同カテゴリーの兵器