カナディアン航空
かなでぃあんこうくう
1945年10月、カルガリーを本拠地とするセントラル・ブリティッシュ・コロンビア航空として設立された。1953年に社名をパシフィック・ウェスタン航空と名を改めている。
主にカナダ国内線を運行していた。
1987年2月にカナダの鉄道会社であるCP鉄道からカナダ太平洋航空を3億ドルで買収、翌3月にはそのカナダ太平洋航空を吸収合併した上でカナディアン航空と改名した。
さらに1989年には当時財政難に直面していたチャーター航空会社のワードエア・カナダを買収している。
もう一つの前身・カナダ太平洋航空
カナディアン航空にはもう一つの前身企業が存在した。それが、カナダ太平洋航空である。
1942年、カナダの鉄道会社であるカナダ太平洋鉄道(後のCP鉄道)が、自社の子会社である中小航空会社のカナディアン・エアウェイズに買収したカナダ国内の中小航空会社9社を買収して合併させる形で成立させた。
1968年にカナダ太平洋鉄道グループの再編とCPブランドの導入に合わせて「CPエア」に社名を変更し、ベアメタルとオレンジを基調とした派手なカラーリングを纏った機体群で長距離国際線を運航し、太平洋路線を主軸にカナダ最大の航空会社であるエア・カナダ(当時のトランス・カナダ航空)に次ぐ地位を占めていた。
ちなみに1949年から日本(主に羽田空港→成田空港)にも乗り入れており、一時はバンクーバー経由の南アメリカ大陸線も運行していた
しかしCPエアはオイルショックとトランス・カナダ航空との競争によって負債がかさみ、徐々に経営不振の兆候が出始めてくる。それでも機材整理と更新によって立て直しを図ると、1980年代になってカナダにも到来した航空業界の規制緩和政策に乗り、戦略提携を結んでいた国内線運航会社のイースタン・プロヴィンシャル航空を吸収合併し、1986年に社名を元のカナダ太平洋航空に戻した上で、白とネイビーブルーを基調とした新しいカラーリングを導入した。
だが先述の通り1987年2月、パシフィック・ウェスタン航空に買収され、3月にパシフィック・ウェスタン航空に吸収合併される形で姿を消したのだった。
終焉
しかし1990年代に入るとエア・カナダに加えて隣国アメリカの大手航空会社、更には格安航空会社との競争が激化したことで徐々に疲弊していく。それでもカナディアングースをシンボルとした新しいCI「プラウド・ウイングス」を導入してイメージ刷新を図ったり、1998年にアメリカン航空などと共に航空連合「ワンワールド」を発足させたりしたものの、結局2000年に経営不振によりエア・カナダに吸収合併された。
なお、1997年末におけるカナディアン航空インターナショナルの航空機数はジェット機が76機で子会社の国内線の航空機が55機。カナディアン航空の1998年の売上高は31億7100万カナダドル。従業員数は約1万5000人(1997)。