概要
SFファンタジーのジャンルに属する作品。『ベルセルク』に20年以上かかり切りであった三浦建太郎氏にとっては久方ぶりの新作である。ダークな作風のベルセルクとは打って変わってダイナミックで爽やかな内容となっている。
描き込みに定評のある三浦氏が描いているだけあって終始凄まじい作画が続く。単行本での読み切りを想定しているためかテンポ良く物語が展開していく。何より注目したいのは作品題名を象徴する戦闘シーンだろう。特に物語後半では見開きページを豪快に使いさながら映画のような迫力で戦いが繰り広げられる。
書誌情報 ISBN 978-4592140016
あらすじ
数億年に一度繰り返される全世界規模の大災厄の彼方。その変わり果てた世界を舞台に語られる生命群の激突。
神話の巨人を擁する帝国に、ただ一組の男女が挑む。男の名は「泥労守(デロス)」、女の名は「風炉芽(プロメ)」。彼らの目的と、この世界の成り立ちとは...?
圧倒的な想像力と筆力で描かれたSFロマン開幕!!
登場人物
泥労守(でろす)
風炉芽と共に巨人を大地に解放するための旅を続ける闘士。元々は帝国の拳闘奴隷であった。
体格が恵まれており人間より身体能力の優れる亜人の攻撃に対しても、それを受けきれるほどの驚異的な耐久力を誇る。
戦闘スタイルとしてはプロレスそのものですべてを受けた上で技を返すというスタイル。投技を始めとして固め技などもできるようで格闘技術は高い模様。
ちなみにプロレススタイルで戦うことを烈爽(れっそー)と呼びそれをやってのける者を烈修羅(れすら)と呼ぶと泥労守は発言している。
熱き闘志と染み渡るような人情の持ち主であり、怒りや憎しみに任せて闘うことを良しとせぬ気骨の漢である。
風炉芽(ぶろめ)
小さな体の少女で身長は泥労守の半分ほどしかない。しかし、見た目相応の口調ではなく淡々と状況を分析し泥労守に対して様々な提案やアドバイスをする。
様々な知識や特別な力を持って冷静に対応し物事を進めるが、一方で感情の起伏がないわけではなく、無茶をする泥労守に怒ったり褒められて照れる場面もある。亜人達から「精霊」と呼ばれる存在。泥労守にエネルギーを供給するたびに幼児体型化している様子だが(回想では以前は劇中より大人びた姿だった模様)、こちらの方がエネルギーの効率がいいから、と本人は幼児体型化を気にしていない。
雄軍(おぐん)
亜人の一人で聖虫の勇者と言われている。泥労守よりもさらに巨体で皮膚が硬化しており、その巨体から繰り出される攻撃は技巧もなく単純な技ばかりだがおおよそ普通の人間が耐えられるものではない凄まじい戦闘力を誇る。
戦士として死刑前の泥労守に水を与えたり槍を渡すなど誇り高い騎士道精神に溢れた人物。