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サンシャモン突撃戦車とは、第一次世界大戦中にフランスで開発された戦車である。


フランスで開発された戦車としてはシュナイダーCA1に続く2番目の戦車である。


シュナイダー戦車の開発中にサンシャモン戦車の開発も始まっており、シュナイダー戦車とは並行して開発され、シュナイダー戦車にわずかに遅れて実用化・実戦投入されている。


シュナイダー戦車の開発が終わらないうちに次の戦車の開発が始まったのは以下のような理由がある。

シュナイダー戦車は戦術研究家でもあったエスティエンヌ大佐がフランス陸軍総司令官に直談判の上で開発を進めたものであった。


本来フランス陸軍の自動車化や戦闘車両の開発を統括する立場にあるはずの自動車管理局はこの計画の蚊帳の外に置かれてしまった上にシュナイダー戦車の設計自体にも不満を抱いていた。そこで自動車管理局は独自の戦車を設計し、フランス南部の都市サンシャモンにあるFAMH社に製造を発注した。これがサンシャモン戦車である。


構造

サンシャモン戦車はシュナイダー戦車より強力な兵装を備え、寸法や重量も大きかった。


主砲として75mm M1897野砲を車体前方に搭載しており、この時代の戦車の中では最も強力な攻撃力を有していた。主砲はほとんど無改造の状態で搭載されており車輪は外していたが、砲脚はそのまま残されていた。これはM1897野砲の旧式な砲架には左右旋回機構が備わっておらず、砲脚を残しておかないと左右旋回が全くでいない構造だったためである(砲脚の端を支点に砲全体を旋回させる必要あり)砲脚を収めるため戦闘室は長大になり、履帯長の短い走行装置から大きくオーバーハングする形状となった。この形状のため地面のちょっとした起伏で戦闘室の底面をつっかえさせて走行不能になるという欠点があった。


全体的なレイアウトは「装軌式トラクターの荷台に野砲を載せ、その周りを装甲で囲った」というようなものであった。主砲の他に戦闘室側面にも機関銃を備えていた。


駆動系はガソリンエンジンで発電した電力でモーターを回して走行装置を駆動するガスエレクトリック方式が採用されていた。これは構造が複雑で故障の原因となりやすい機械式(歯車式)変速機・操向器を使用せずに大重量の戦車を駆動できる方法として当時注目されていた方式で、同時期にアメリカでもこの方式の車両が試作されていた。


ただサンシャモン戦車では当時の技術水準の低さもあり、ガスエレクトリック式駆動系は故障が絶えず、故障率低減としてはあまり意味がなかったようである。


運用

サンシャモン戦車は1917年5月5日に初めて実戦投入された。これはシュナイダー戦車が初めて実戦投入された1917年4月16日から一か月も経たない時期だった。


この戦闘では16両が投入され、うち15両が遭遇した最初の塹壕を乗り越える途中に走行不能になり、そこに集中射撃を浴びて撃破されるという無残な結果に終わった。その後も走行能力の不足のため大きな活躍はできず、最後まで本車への良い評価が得られることはなかった、最初に発注された400両の完成をもって本車の量産は終了した。本車の後に開発されたFT-17軽戦車が成功を収めたこともあり、本車の失敗は「重戦車の開発を中止してFT-17に注力すべき」という重戦車不要論がフランス陸軍内部で台頭する契機となった。


改良と後継

サンシャモン戦車は生産途中に改良が行われたが、後継となる発展型の開発は行われなかった。


後にフランスは菱形戦車Mk.VIIIの国際共同開発計画に加わっており、塹壕突破用重戦車という用兵思想上はMk.VIIIが本車の後継といえる。


フランスが独力で開発した戦車の中で後継と言えるものは大戦末期に登場したシャール2C重戦車が該当する。

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