概要
ガスト長野開発部が開発・販売しているゲーム作品のシリーズ。『アルトネリコ』で有名な土屋暁氏がプロデューサーを務める。
実在するもう一つの宇宙(次元)をテーマに、プレイヤーとゲームの登場人物達が協力して強大な陰謀に挑むという壮大なSF劇が描かれる。いわゆる「メタフィクション」であり、プレイヤーもゲームの登場人物の一人として扱われる。
『アルトネリコ』の前日譚であり、精神的後継作に『拡張少女系トライナリー』がある。
2012年の『シェルノサージュ』発売から始まり、形を変えつつ何年も続いてきたが、2016年のONLINE版のサーバー縮小&サポート終了を以て一区切りとされた。ファンの間でも新作・続編の要望こそあれ、展開終了したコンテンツというのが共通認識になっている。ただし24年現在でも夏コミ(通販)等でグッズが販売されることはある。
公式サイドによる最後のアクションは21年のDX版(SW/PS4/Steamへの移植版)である。
特徴
『シェルノサージュ』と『アルノサージュ』の二部構成になっており、前編はテキストを読み進めるタイプのアドベンチャーゲーム、後編はRPGとなっている。
『シェルノサージュ』は「知る物語」で、舞台となる惑星ラシェーラのことや、そこで起きている不正や陰謀のこと、登場人物達の関係、メインヒロインであるイオンの素性などが様々な形でプレイヤー側に明かされる。
『アルノサージュ』は「戦う物語」で、前編を通じて自分の立ち位置を理解したプレイヤーがゲームの登場人物達と協力し、世界とイオンを救うために冒険する姿が描かれる。
本質はSF劇だが、メインヒロインであるイオンとの恋愛要素も売りで、ギャルゲーという見方もできる。ただし好感度管理のシステムが予定調和気味で、本家ギャルゲーにある選択肢や育成で好感度調整といった駆け引きはない。
ユーザと開発陣が二人三脚で物語を演出するというスタイルも大きな特徴で、ゲームの進行度に応じてヒロインからボイスメールが送られてきたり、「ヒロインからの贈り物」という体でグッズが販売されたり、開発陣が生放送でユーザからのコアな質問に真摯に答えたり等、その独特の空気はファン内外で話題となった。
『アルトネリコ』がそうであったように、本作も世界観やキャラ設定が作り込まれており、ゲーム内の用語集にはおびただしいほどの独自・専門用語が並ぶ。社内会議に使われたというWikiが公式HPで設定資料集として公開されており、こちらも凄まじい情報量になっている。興味があれば覗いてみよう(外部リンク参考)
アルトネリコとの関係
サージュ・コンチェルトシリーズは『アルトネリコ』と同一世界線の物語であり、時系列では過去編にあたる。
アルトネリコの舞台である惑星アルシエルは、当時のラシェーラ人(シェルノ世界の住民)が移住先として発見した新惑星である。環境調査のために先遣隊を送ったものの、本部で起きたトラブルにより移住は断念され、先遣隊も置き去りにされてしまった(『シェルノサージュ』)
『アルノサージュ』はそれから約5,000年後が舞台であり、同作のアルシエルでは若い頃のまだ管理者として熟達していないシュレリアと、当時の代であるアヤタネが登場する。
(当時のシュレリア)
シュレリアが誕生したのは第一紀3,020年なので、アルノサージュの物語はそれから十数年後(3,030~年?)と推察される。シェルノサージュに至っては暦ができる前なので、おとぎ話や伝説の域である。ちなみにライナーの冒険の始まり(初代アルトネリコ)は3,770年である。
テル族はシェルノ時代に置き去りにされた先遣隊の末裔である。外部因子であるため環境に適応できず、生き残るために(同行していた)竜型ジェノムと融合、以降独自の進化を遂げて亜人のような姿になった。テル族が連れている護も先遣隊ジェノムの末裔である。
拡張少女系トライナリーとの関係
同じメタフィクションだが世界観は共有しておらず、関係も匂わせ程度で、あくまで同じコンセプトの作品という扱い。
ただしゲームのヒロイン達との恋愛要素や、プレイヤーも物語の登場人物として数えられる点、プレイヤーとヒロインが協力して壁を乗り越える展開、「ヒロインからの贈り物」としてグッズが販売される点などから、ファンの間では事実上の後継作として見られている。
より詳しい内容は拡張少女系トライナリーを参照。なおスマホゲーで現在はサービス終了している。
作品一覧
ゲーム本編
- 『シェルノサージュ』
- 無印:ONLINE版(Vita) / OFFLINE版(Vita) / DX版(SW/PS4/Steam)
- 『アルノサージュ』
- 無印(PS3) / PLUS版(Vita) / DX版(SW/PS4/Steam)
今から買うならDX版2種の組み合わせを推奨する。無印のメリットはリアルとの連動イベント及び限定グッズで優遇されるところだったが、どちらも復刻の見込みはなく、今になって購入する意義は極めて薄い。
かつてはOFFLINE版&PLUS版も勧められていたが、現在ではソーシャルサイトでのボイスメッセージ配布、及びガストポイントによるゲーム内特典の入手といった機能が停止しており、またわざわざ旧機種であるVitaを選ぶメリットも少ない為、やはりDX版を推奨する。
外部作品
- 『アルノサージュ ~生まれいずる星へ祈る詩~』(漫画)
- 『ゆきねライフロギング!』(小説)
- 連動Webサイト:シェルノサージュコンソール(ボイスメッセージ) ※サービス終了
- ボイスドラマ他、初回特典やグッズに添付されるオマケエピソード
時系列
※グッズ等に添付されるオマケエピソードについては編集者が把握していないので除く
- 小説第1巻
- 『アルノサージュ』DLC・白鷹パックの追加エピソード(イオンの過去話)
- 小説第2巻
- 『シェルノサージュ』(ユメセカイパートにおける過去の記憶)
- 漫画第1~2巻
- genomirai.comのミニゲーム ※外部リンク参照
- 『アルノサージュ』(フェーズ1前半)
- 『シェルノサージュ』(コミュニケーションパート)
- 『アルノサージュ』(フェーズ1後半~)
- 『アルトネリコ』
だいぶ複雑なので初見時はまずゲーム本編、次に小説や漫画で補完という流れを推奨する。
余談
- サージュ・コンチェルトはガスト(コーエーテクモ)のIPだが、一方の『アルトネリコ』はバンナムのIPで権利関係が少し複雑なことになっている。
- 歴代グッズの中で最も高額の商品は『イオンお手製・ニシキー管時計』で、そのお値段なんと107,360円。4回に分けて受注生産が行われた。