プロフィール
人物
イラン出身の奴隷。
学者一家の預かりとなり、女主人ファーティマに仕えていた。だがモンゴルの侵攻によってファーティマを始めとした主人一家は殺され、シタラは捕虜としてモンゴルに連れて行かれた。
娘のように可愛がってくれたファーティマを殺し、故郷を焼き尽くしたモンゴルへの怨みを晴らすため、シタラは己が名を捨て、主人の名“ファーティマ”を名乗って宮廷の権力闘争へ関わっていくようになる。
モンゴルでは当初、仇敵トルイの正妃、ソルコクタニ・ベキに仕えていたが、後に自分同様帝国に怨みを抱くオゴタイの第六夫人ドレゲネに仕える。
ファーティマとドレゲネは果たしてモンゴルを揺るがす嵐となり得るか。それは未だ天(テングリ)のみぞ知る所である。
その他
- 最初の名前である「シタラ」は「星」を意味する。『アリババと40人の盗賊』のメインキャラクターである女奴隷、モルジアナの名前が『小さな真珠(或いは赤珊瑚)』を指すように、アラビア圏の奴隷身分の女性にはこうした宝石や花、星といった華やかな意味合いの名前の者が多かった。
- キャラクターのモデルとなったのは皇后ドレゲネの側近として辣腕を振るった女性、ファーティマ・ハトゥン(?〜1246)。出身はイラン北東部のホラーサーン州の州都マシュハドで、モンゴル軍の掠奪に遭いマシュハドからモンゴルの帝都カラコルムに連行されてきたという。ドレゲネの失脚に伴い、彼女も魔女の烙印を押された末に無惨な最期を遂げたとされる。ファーティマが本当に魔女であったかはともかく、当時モンゴルでは魔術に対する恐怖が甚だ強い風潮にあり、実際の所は才覚を疎まれた彼女が反ドレゲネ勢力による陥穽に嵌ったと考えられる。