解説
2022年の日本を舞台に、「壁」を隔てて、存在する「異世界」から来る敵「壊獣」と戦う、2人の「防壁師」の少女達の物語を描く。セクシーで美しい女性が多く登場して、濃密な百合描写に定評がある。既刊3巻。
あらすじ
「こちらの世界」と「異世界」に分かれ、両界は「壁」に隔てられた世界。「異世界」から「壊獣」が、その「壁」を破り、「こちらの世界」への侵略を繰り返している。それを防ぐため、「壁」の中で戦う者たちがいた。
そんな、彼ら彼女らの名を「防壁師(ぼうへきし)」と言う。
新更命乃(アラツグ・ヨリノ)も、その「防壁師」を目指すため、幼なじみの列久永(トクナガ・ハルカ)とともに、「防壁師」を目指すため、小学校に入学すると同時に、訓練に励む毎日を送っていた。
そして、好成績で中学校を卒業した2人は、いよいよ「防壁師」となるためのプロ試験に挑むことになったのだが、その試験中、「壊獣」に襲われてしまい……。
そんな命乃の前に、神之椅様子(カミノイ・ヨウコ)が現れ、彼女を救う。
その後、プロ試験に合格し、「防壁師 日本支部 第三部隊」に配属された命乃だったが、その隊長として現れたのは……。
登場人物
- 新更命乃(アラツグ・ヨリノ)
主人公。プロ試験合格後、第三部隊に配属される。試験時に自らを助けた、隊長の神之椅様子とパートナーを組む。
- 列久永(トクナガ・ハルカ)
命乃の幼なじみ。
- 神之椅様子(カミノイ・ヨウコ)
「防壁師 日本支部 第三部隊」隊長。新更命乃とパートナーを組む。
- 松芝桂子(マツシバ・ケイコ)
第三部隊の分析員。
- 北村悧七(キタムラ・リナ)
一か月遅れで第三部隊に配属された新更命乃の訓練所の同期。
- 真辺綾花(マナベ・リョウカ)
北村悧七とパートナーを組む熟練の防壁師。神之椅様子の先輩にあたる人物。
- 竜崎帷(リュウザキ・トバリ)
新更命乃と同じ時に入隊した同期。
- 東堂華織(トウドウ・カオリ)
第三部隊副隊長。竜崎帷とパートナーを組んでいる。
- 青木紗英(アオキ・サエ)、柿崎真帆(カキザキ・マホ)
新更命乃が通う高校のクラスメート。高校に入ってから友だちとなった。2人は小学校の頃からの友だち。
部隊隊長
- 六御崎舞
第一部隊隊長。妙な目隠しをしている女性。
- 宮村蒼真
第二部隊隊長。ポニーテールの男性。泉堂から神之椅に並ぶ実力者と評されている。
- 神之椅様子
第三部隊隊長。当記事参照。
- 猪口賢吾
第四部隊隊長。厳つい顔をした男性。眼帯を付けている。
- 相楽啓次
第五部隊隊長。無精髭を生やしたガラの悪そうな男性。
- 微睡見玲音
第六部隊隊長。ショートカットで、ややくせっ毛の女性。泉堂から神之椅に並ぶ実力者と評されている。
- 泉堂輝美
第七部隊隊長。丁寧な口調で話す眼鏡の男性。
用語解説
- 壊獣(かいじゅう)
「こちらの世界」の「壁」を隔てた向こう側にある、「異世界」から侵略してくるとされる「人類の敵」。彼らは、特に「壁」の中で、事象が多く起こり、次元の歪みが発生することで生じたダメージで弱った部分を狙う性質があり、事象が発生しやすい、つまり人口の多い都市部を特に狙う。そのため「防壁師」の部隊は、そうした大都市に置かれている。
目が弱点で、ここを破壊すると、倒すことができる。
- 異世界
「こちらの世界」の「壁」を隔てた向こう側に存在する世界。こちらの世界が「壊獣」を使い、「こちらの世界」を侵略してくるとされる。
- 壁
「こちらの世界」と「異世界」を隔てるもの。「上の壁」と「下の壁」からなり、「防壁師」はその間の空間「壁の中」で、「上の壁」を破って、空間に侵入した「壊獣」を迎撃する。「下の壁」も破られると、「こちらの世界」への侵略を許す、即ち「敗北」となる。
- 防壁師
「壁の中」に入り、「壊獣」の侵略から「こちらの世界」を守る者たち。これになる人物は、「守護力」を持つという、「壁」を代々守ってきた一族の末裔に限られ、彼ら彼女らは、小学生の頃から、「防壁師」となるための訓練を受け、それは中学生の頃にまで及ぶ。最終的に、プロ試験に合格することで、晴れて「防壁師」になることが出来る。
なお、日本国内の「防壁師」の部隊は、札幌・仙台・東京・名古屋・大阪・広島・福岡の、それぞれ第一~第七部隊に分かれ、それぞれの都市を守る。なお、第三部隊の所在地は名古屋である。なぜ、都市部のみに置かれているかについては、「壊獣」の項を参照。
- 守護力
代々、「壁」を守ってきた一族とその末裔が持つとされる力。心臓で生成され、武器の強化などに使われる能力。本来は、一族が守ってきた「壁」を修復するために使われる。
また、この力は、他者を強化することに特化したもので、自身の「守護力」で自身を強化することはできない。
- アストラル体
精神か魂、霊体のようなもの。生物の精神を司る電磁波の一種で、心臓から血液循環によって発電するような形で生成され、脳から送られる電気信号もここから発生している。また、「守護力」も同様の原理で生成され、これの一部でもある。