ターンAターン
たーんえーたーん
刻が未来にすすむと 誰がきめたんだ
烙印を消す命が 歴史をかきなおす
作詞:井荻麟
作曲:小林亜星
編曲:矢田部正
TVアニメ∀ガンダムの前期OPテーマとして起用された。
歌唱に西城秀樹が起用されたのは、ドラマ寺内貫太郎一家で共演した小林亜星の推薦があったから。しかし、このために監督で作詞者(井荻麟)の富野由悠季は西城に対して不信感を抱いていた。実際にスタジオに現れた西城が、当初、口数少なく不愛想に見えたこともその思い込みに拍車をかけた。
実際には西城はガンダムという作品について、事前にZガンダムの主題歌などを担当した森口博子に尋ねるなど、真摯に取り組んでいた。また、不愛想に見えたのはレコーディングに向けて緊張していたためであった。
西城は歌手として滑らかな表現ができるよう、歌詞について富野にアドバイスを行い、また、できるだけ歌に込められたメッセージを掴もうと「∀」が示す意味について質問を行った。これに対し、西城が「自分を舐めている」と思い込んでいた富野は2時間にわたり、作品世界について微に入り細を穿って語り続けた。この時、西城は一方的に説明を続けた富野に対し「善きことを言おうとし過ぎて、相手かまわずぶつかっちゃうんでしょ?もう少し他人を信じなさいよ」と答えたという。
富野は後に自著で、この時の出来事について詳細に記し、西城が入念な準備を行ったうえで楽曲に取り組んでいたことに気が付き、謝罪したことを告白している。また西城が自身に対し偏見を持たず、胸襟を開いて接してくれたことにも触れ、「初対面で、これほど正確にぼくの欠点と目指しているところを指摘した人に出会ったことがない。28年間(当時)現役で仕事をやってきたスターは違う」と、その人柄と仕事に対する姿勢を称えた。
なお、発売はキングレコードから。スターチャイルドレーベル唯一のシングル。当時西城秀樹はBMG JAPAN所属だったので、建前上は「西城秀樹はボーカルとして参加している」ことになっている。
手を伸ばす:OPの印象的なキャラのポーズ