テクシステカトル

　西暦2000年6月9日、後に二千年紀(ミレニアム)の暗蝕嘯(あんしょくしょう、eclipse flood、エクリプスフラッド)と呼ばれる大災厄がこの世界を襲った。 物理法則を歪め空間そのものを呑み込み消滅させてしまうこの謎の現象によって実に大地の73.2%が暗蝕域(あんしょくいき)へと奪われたのだ･･･ 暗蝕域の猛脅から人類文明を守る為、暗蝕域の最前線に到達不能極(ポイント･ネモ)多元宇宙原理研究国際海洋大学が建造された。 宇宙空間物理学の応用研究をしていた対暗蝕域学部の鑽破 靉史(うがやぶき あいじ) 教授は世界各地の暗蝕域で度々異形の蜃気楼が目撃されている事に気付く。 鑽破教授は国連軍の海洋学園都市型大陸間海上索道空母ミスカトニック級の対暗蝕域科学調査部門に選抜されたが調査中のトラブルで運悪く転落し暗蝕域に呑み込まれてしまう。 だが鑽破教授は暗蝕域内部で謎の遭難者、伝 未詳(つとう みよ)を救助し共に奇跡の生還を果たす。 彼女の正体は一体･･･