概要
ナナワツィン(ナナワトル)とはアステカ神話に登場する貧しく皮膚病に罹った謙虚な神。
ケツァルコアトルとテスカトリポカが造りだした5番目の世界は、太陽が無く真っ暗闇の世界だった。
そのためテオティワカンに集まった神々の中で、誰かが生贄になり太陽になってもらうことにした。
そこでは派手好きで傲慢なテクシステカトルが立候補し、他の神々からは貧しく皮膚病に罹った謙虚なナナワツィンが推薦された。
4日間の断食と苦行を行った後、テクシステカトルは豪華な供物を捧げて香を焚き、派手な衣装をまとったのに対し、貧しいナナワツィンは粗末な供物しか用意できず、香の代わりに自らの瘡を焚き紙でできた衣装で儀式に臨んだ。
しかし、火の中に飛び込む儀式となると、テクシステカトルは怖気づいて4回とも飛び込めなかった。
そんな中ナナワツィンはためらうことなく飛び込み、それを見たテクシステカトルも続けて飛び込んで2つの太陽が生まれることになった。
神々は太陽が2つあると眩しいと、後から飛び込んだテクシステカトルには灰と兎を投げつけて月に変えた。
そしてナナワツィンは無事に太陽神トナティウとなったが、生贄がないと働かない傲慢な性格に変わってしまった。(そう感じるのは現代の視点であり、アステカの宗教観では特に問題とされていない)
それに怒った暁の主(金星の神)トラウィスカルパンテクトリ(邪神とされる)が槍を投げてきたが避け、反対に投げ返して明け方に冷え込みを起こす石と冷気の神イツラコリウキに変えてしまった。