概要
2057年に立ち上げられた、科学研究プロジェクト。
目的は、生体自律人形のメンタルデータのバックアップ技術の確立が目的である。
2060年に正式スタートし、同年末に「ニューラルクラウド」技術の開発に成功している。
・・・とゲーム内図鑑には表記されている(一部要約)が、実際には、
マグラシア内のエージェントたちはメンタルバックアップの手段を持たない。
正確には記憶を引き継げないという方が正しく、メンタルコアが損傷しない限りは出荷時の初期状態に戻すことは可能である。
しかしこのようなバックアップは、当然ニューラルクラウド計画が目指すものではなく(実際、当計画完成後のドールズフロントラインでは、一定時点までの記憶を引き継いでのバックアップが可能である)、現実とのコネクションロストは計画完成前に起こったと考えるのが自然である。とすると、ニューラルクラウド計画自体は、クラウドセクター、ひいてはマグラシアクラウドの一定時点からの助けなしに完成したと考えられる。
上記の通り、当計画には不明点が多い。
計画参加人形の扱い / 姉妹作『ドールズフロントライン』との矛盾
本計画に参加している人形のうち、一部の人形は姉妹作『ドールズフロントライン』にも登場している。しかし、ゲーム『ニューラルクラウド』は、『ドールズフロントライン』の時系列中に内包されるものである。つまり、一定時点までマグラシア内に囚われているはずの人形たちが、一方の『ドールズフロントライン』に登場しているという矛盾が存在している。
この矛盾を説明する解釈はいくつか考えられる。
- 『ニューラルクラウド』に登場する人形と『ドールズフロントライン』に登場する人形は同型機であるが、別人である。
- 『ニューラルクラウド』に登場する人形の一部は、マグラシアから脱出した後にグリフィンに加わった。
- 『ニューラルクラウド』に登場する人形のメンタルは、あくまでコピー(バックアップ)であり、現実世界とマグラシア内で、同一の人形が同時に活動している。
この矛盾に対する重要な示唆が、ルナの専属ストーリーに存在する。
同ストーリーの終盤で、ルナのメンタルにある光景が浮かぶ。
『・・・揮官さん、もし運命が悪い方向に向かっているとして、それを事前に伝える私は・・・まるで、みんなに不幸をばらまいているようじゃない?』
『運命がどう変わっても、それに応じて対策すればいいことだしね。』
これは、ルナの同型機であるK5のスキンストーリー「運命のワルツ」からの描写である。つまり、この記憶はK5のものである。
一方、ルナのメンタルがマグラシアにアップロードされたのは、グリフィンに就職する以前のことであり、つまりK5としての記憶は有していない。にもかかわらず、ルナのメンタルに上記の光景が浮かんだ。このことが示唆するのは、上記の③、つまり『ニューラルクラウド』の「ルナ」と『ドールズフロントライン』の「K5」は同一人物でありながら、サーバ上と現実世界という2つの世界で同時に、異なるメンタル(記憶)として活動していると言えそうである。なお、この2つのメンタルがどうして一時的に融合したのかについても説明できる。詳しくは次項を参照されたい。
しかし、「教授」と「指揮官」の関係についての説明は難しい。クルカイの専属ストーリーを筆頭にして、両者が同一人物である可能性は極めて高い(詳しくはクルカイ(ニューラルクラウド)を参照)ものの、仮に同一人物であったとして、人間が現実とサーバ上で同時に存在できるとは考えにくい。「指揮官」が「教授」として、マグラシアにいたのはいつなのか、その間グリフィンはどうだったのかなど、不明点ばかりである。
姉妹作『ドールズフロントライン』での描写
『ドールズフロントライン』の大型イベント『慢性虚脱』で、2061年夏時点では「人形はまだ記憶データを引き継ぐことができない」ことが言及された。
これは一見、上記の「2060年末に計画完成」との記述に矛盾するとも思える。しかし、同時に「その問題を改善する技術もいずれ実用化される」との言及もあるため、単に実用化までのタイムラグであるとも考えられる。実際、それからまもなくして実用化されたことが描写された。
「2060年末に理論が完成」→「2061年に実用化」と考えれば辻褄が合うため、『ニューラルクラウド』内での、「2060年末に計画完成」との記述には信憑性があると考えられる。
なお、この「実用化」の描写として、同イベントでは複数体存在するLAMGの同型機のメンタル(記憶)を一つに統合するという表現がされた。
これは、前項でも触れた、「ルナが一時的にK5のメンタルと融合した」事象に限りなく近い。時系列的には矛盾するはずの「ルナが一時的にK5のメンタルと融合した」事象は、ニューラルクラウド計画の成果が、ごく短時間のあいだルナという人形にのみ発現したと考えることができる。