概要
中華人民共和国の上海を拠点とするサンボーンが開発した探索型ストラテジーRPGのスマホゲーム。
日本では2022年11月24日サービス開始。
同社の『ドールズフロントライン』(通称:ドルフロ、旧名:少女前線)と世界観を共有しており、その外伝的作品にあたる。
キャラクターデザイン上でのドルフロとの違いとしては、ドルフロでは人形(キャラ)が常に特定の銃に紐付けられていたため「銃の擬人化ゲー」と呼ばれることもあったのに対し、こちらではそのような縛りがなく、看護師や用心棒など様々な職業の人形が登場する。
特に、女性型の人形だけではなく男性型の人形もプレイアブルになっているのが大きな差異。また、ドルフロ本編に登場した人形達が元々の職業の姿で登場するため、本編でどうしてそのような性格をしているのかがわかったり、前職が何だったのかが明かされたりといった要素もある。
名称
正式名称については、報道によっては『ドールズフロントライン:ニューラルクラウド』と書くものがあり、ロゴにも「ドールズフロントライン」のキーワードが書かれているが、アプリ名やアプリ内解説では単に『ニューラルクラウド』となっており、一定しない。
また、公式の略称は決まっていない。プレイヤー側では「ニュークラ」と略す人や「NC」と略す人がいるようだ。
大陸版の正式名称は『少女前线:云图计划』(Shàonǚ Qiánxiàn: Yúntú Jìhuà 、日本語の新字体で書くと『少女前線:雲図計画』)。
こちらはアプリ名も「少女前线」まで入れるのが正式名称だが、実際は単に『云图计划』と呼ばれることが多い。
2021年9月23日サービス開始で、日本語版よりも1年以上先行している。
英語版の名称は『Neural Cloud』で、2022年11月21日サービス開始で、日本よりも数日先行しているもののほぼ同じ。
『Project Neural Cloud』(PNC)と呼ばれていた時期もあったが、サービス開始時点では「Project」の語が外されている。
システム
ジャンルは日本語版の公式Twitterでは「探索型ストラテジーRPG」とされている。
広告によっては「ローグライク」を売りにしている時もあるが(特に中国語版)、ガチめのRogue要素はそこまでなく、「ローグライト」といった方が適切であろう。
洋ゲーに詳しい人なら、『Slay the Spire』のような探索シーンに、『Auto Chess』のようなオートバトルを合わせたものと言えばわかりやすいだろうか。
ローグライクとしてはカジュアル寄りとはいえ、自動生成されるダンジョンでランダムに落ちる能力カード(作中用語では「関数」)をどのように取っていくか、戦闘中にどのタイミングでスキルを切るか、といったところは中々頭を使う。
スマホゲームとして見れば本格派寄りであり、キャラデザやストーリーだけではなくゲーム的な面白さも評価が高い。
詳細説明は各種攻略サイトや攻略wikiなどに譲る。
ストーリー
2045年から2051年にかけて起きた第三次世界大戦で、世界は荒廃した。
荒廃した各国を復興させるため台頭したのが「生体自律人形」、通称「人形」と呼ばれるロボットである。
2057年、人形たちのメンタルをクラウド上に複製保存する技術を開発するため、研究団体「42Lab」に所属する「教授」という科学者が仮想世界「ニューラルクラウド計画」を立案。
3年後の2060年に巨大クラウドサーバー「マグラシア」上で正式サービスを開始、同年末、計画は一応の完成を見た。
ところが完成直後に原因不明の事故でニューラルクラウド世界は崩壊、「教授」と計画にテスト参加した人形たちのメンタルはサーバ内に囚われ、行方不明になってしまう。
事件から3年後の2063年、プレイヤーである「指揮官」は、「教授」の友人であるペルシカ博士から、本物の「教授」とクラウド上に囚われた人形たちのメンタルを現実世界へ救出することを依頼される。
「指揮官」は本来の「教授」の全権を委任されて、仮の「教授」となり、「ニューラルクラウド」世界へ旅立つことになったが…。
なお、正編である『ドールズフロントライン』のメインストーリーは2062年に開始した出来事とされており、本作品の物語はドルフロと並行して起こっていることになる。
主要登場人物(メインストーリー)
教授(プレイヤー)
本作でのプレイヤーのアバターとなる人物。
名前や性別はプレイヤー自身が決められるが、どちらでも黒髪で白衣の理知的そうな人物というデザインは共通している。
本職は、戦術人形を主力とする民間軍事組織「グリフィン」に所属する指揮官。
本来の「教授」とは人格も姿も全くの別人だが、教授と同一のIDを使用している。
クラウド内のAIは原則として姿ではなくIDで相手を認識するため、ペルシカやアントニーナなど一部の人形から以外は本物と区別するのが(不可能ではないものの)困難であるようだ。
人形のペルシカたちと共に「オアシス」という領域をクラウド内に確保し、そこを拠点としている。
なお、ドルフロのプレイヤーの「指揮官」と同一人物であることが度々強く示唆されてはいるものの、明言されている箇所はなく、確定までには至っていない。
教授(本物)
研究機関42Labの科学者で、「ニューラルクラウド」計画の責任者。
人間のペルシカ博士の友人。
3年前の「リターン・トゥ・ゼロ」事件でニューラルクラウド世界が崩壊して以降、行方不明になっている。
クラウドに囚われた本物の「教授」と人形たちを現実世界に救出するのが、プレイヤーの「教授」(=「指揮官」)のゲーム開始時の最大目標。
ペルシカ
CV:奈波果林
アプリアイコンになっているキャラで、本作のメインヒロイン的な立ち位置。
ドルフロに登場した天才科学者ペルシカ博士が自身を模して作った人形で、オアシスの科学担当にして、プレイヤーの副官的な存在。
自身を模したとはいうものの、ずぼらなマッドサイエンティストといった雰囲気のオリジナルのペルシカとは異なり、身綺麗で几帳面なお姉さんになっている。
上司の「教授」(プレイヤー)や部下のクロックらが個性的な面々のため、常識人として調整に四苦八苦する苦労人。
戦闘ではメディック(いわゆるヒーラー)として他の人形たちを後方からサポートする。
プレイヤーが本物の「教授」ではないことには勘づいているようだが、
それでもオアシスを立ち上げて人形を守ってきたプレイヤーを強く信頼……というよりは信奉しており、クロックからは宗教のようだと揶揄されている。
クロック
CV:小倉唯
スヴァローグ重工製メカニカルエンジニア型人形。オアシスのエンジニアリング担当。
スヴァローグ重工CEO自らが設計した特製の人形で、スヴァローグ側のチーフエンジニアとしてニューラルクラウド計画に参加。
ペルシカに次いで出番が多く、本作の副ヒロイン的な立ち位置。
見た目はミステリアスなクール系寄りの少女といった雰囲気なのだが、中身は引きこもりのコミュ障で、ロボットアニメオタク。
エンジニアリング、特にロボットの話になると途端に饒舌になる。
技術力は確かで、オアシスのほとんどの建物はクロックが主導して建造したものである。
彼女の愛用する巨大なシールド「イージスの盾」は、イージス号というロボットにも変形可能なギミック付き。
必殺技発動時は「見せてもらおうか……この雑魚どもの性能とやらを!」と、どこぞの赤い彗星のような決め台詞を放つ。
教授を呼ぶ時に、テキスト上では何故かひらがなで「きょうじゅ」と幼女のような喋り方をする。ボイス上では普通の発音なのだが……。
ソル
CV:柚木涼香
42Lab製観測隊ガイド型人形。
ベースは戦闘系技術用人形で、ソルは本職の観測技術よりも戦闘技術に興味があったため、事件以降はオアシス組の前衛を任されている。
見た目も性格もさっぱり系の頼れる姉御肌の女性で、多くの人間や人形から慕われている。
ただし中二病も併発しており、二振りの愛剣に北欧神話の馬「アールヴァクル」と「アルスヴィド」という名前をつけてニヤニヤしているという意外な一面もある。
シーモ
CV:榎木淳弥
スヴァローグ重工製狙撃手。
設定上はクロックやソルと同時期に加入した初期メンバーの一人だが、実際の初登場は後述のアントニーナより遅く2章。
見た目や物腰は礼儀正しい少年。しかし、中身は純粋に戦闘に特化した特殊作戦用人形であり、メンバー随一の戦闘能力を持つ。
その高い能力から、「キュクロプス」という軍需セクターの偵察を一人で任されていたが……
アントニーナ
CV:長妻樹里
42Lab製サイバー情報技術研究用人形。オアシスの電子戦担当。
ストーリー上は1章から加入。人形のペルシカとは旧知の仲。
元はサイバーセキュリティ部門のチーフエンジニアであり、その重責や知名度からラボの広告塔を務めることも多かったため、表の世界ではあえて「アンナ」として「〜にゃん💕」とあざと可愛いキャラを作っていた。
こちらの世界では素の性格でいることが多い。
素の性格では皮肉屋な一面もあるものの、比較的常識人寄り。
実はクラウド世界が崩壊した「リターン・トゥ・ゼロ」事件で、人形たちのメンタルを緊急退避させた張本人であり、ある意味ではクラウド内の全ての人形の命の恩人とも言える重要人物である。
その高い洞察力でプレイヤーが本物の「教授」ではないことを初見で看破し、加入時点では強い不信感を抱いているが……。
浄化者
クラウド内のアンチウイルスプログラム。
例外はあるものの、ほぼ全ての浄化者はプレイヤー側の「教授」や人形たちをシステム内の異常と見なしており、ゲーム開始時点では敵役として登場することが多い。
登場人物一覧
公式4コマ漫画
Twitterでは公式4コマ漫画が不定期連載されている。作者はaningay。
第一回は2022年12月16日連載で、フローレンスを取り上げた『フローレンスの楽しみ』。
オリジナル・サウンドトラック
関連タグ
- イラストコンテスト関係
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