概略
ファイナルファンタジーシリーズなどでキャラクターデザインを務める野村哲也氏に由来する言葉。
ファイナルファンタジー7以降から天野喜孝氏から野村氏にキャラクターデザインが変わり、また同時に世界観も、それまでの剣と魔法の世界、中世をベースにした西洋ファンタジーから、機械が発達したSF要素の強い世界を描くようになった。
キャラクターたちのの容姿・ファッションもそれを境に現代的なアイテムが増えていく。
例えばキャラの衣装に多用されているファスナーは1891年に発明、市場に広く流通するのはもう少し経った20世紀からのもので、ティファのタンクトップも1960年代ごろに生まれたとされているなど、近代のアイテムである。
こうした近未来風ファンタジーとでも呼ぶべき、従来の西洋ファンタジーのRPGから一線を画したセンスを指していた言葉だった。
しかし野村氏がスクウェア・エニックスでキャリアを重ねるにつれ、あるいはFFシリーズのナンバリングが進むにつれて、専門用語が多数用いられる、登場する名詞がラテン語由来などで直感的にわかりにくい、あるいは気取ったように受け取られてしまう例が増えていった。
特にファイナルファンタジー13では、物語の中核になる名詞に大半カタカナの専門用語がつけられているため、序盤のストーリーを要約すると「パルスのファルシのルシがパージでコクーン」という一見して何も分からない事態となり、ネット上を騒然とさせた。
この纏めや要約自体は、前提となる専門用語の解説を(恣意的にか)省いたものであったため、きちんと原本である雑誌インタビューを見ればパルスとは何か、ファルシとは何かが分かるようなものだったが、
そもそも専門用語をあまり用いていなければ「安全なコクーンと、その外の危険地帯パルスに分かれている世界。パルスを治める高位存在(ファルシ)の使徒(ルシ)に選ばれちゃったので、主人公たちはコクーンから追放(パージ)されました。」くらい平易にできたものでもある。
しかし、このことがFF13(ないしは近年のFFシリーズ全体)は専門用語だらけで一見さんには意味不明、勿体ぶったような言い回しばかり、のような印象を作ってしまい、ノムリッシュという語もこのような、ラテン語風の難解そうなネーミング、捻くれた言い回しの代名詞のように使われてしまった。
おそらくデザイン担当の野村氏より、シナリオ担当などの世界観を固める役職の方が、専門用語の多用については責任があると思われるが……
今では専ら、こうしたネーミングや言い回しを揶揄する語となってしまった。また、理解していても面白がって、あるいは中二病らしさのためにあえて、ノムリッシュとされるものを用いる例もある。