CV:下地紫野
概要
キャラクターとしての基礎はミシリスの量産型ニケ・プロダクト23だが、そちらと比較すると両目を覆うパーツが解除されているため、ややあどけない顔立ちが露わになっているほか、アクセサリを首にかけているという差異がある。
『勝利の女神:NIKKE』のハーフアニバーサリーイベント『OVER ZONE』のゲストキャラで、作戦に参加した量産型最後の生き残りとして登場する。
人間だった頃の記憶を失っているが、当時の生活と何らかの関わりがあるのか、地表で人間の遺体を目の当たりにしても怯まず、また食糧難を迎えた時に野生のシカの下処理を進んで行うなどの逞しさも発揮する。
量産型ニケへの備考とピナの動向
本作中に登場する量産型ニケは個体としての名前を明かされる事がほぼ無く、また顔面が何らかのパーツで覆われているため表情が読み取りにくくなっているなど、個性や情動を見出しづらいキャラクター造形となっている。
劇中の役回りもモブのような素性を掴めないものが多い上に、この世界の暗部を表すかのように劣悪な境遇に置かれている例が少なからず見受けられ、戦地で消耗される雑兵や、生体実験のモルモット、極端な例では一山いくらで取り引きされる商材の如く描写される事すらあるなど、日頃見慣れたニケ達と比べて、その扱いの差は歴然たるものとなっている。
ドロシーやパイオニア部隊の過去に焦点を当てるOVER ZONEのシナリオ中にて、ピナもまた捨て駒に近い立場で作戦に参加していた。
しかし上述のルックスに加えて「ゴッデス部隊への強い憧れを動機に、この作戦に志願した」と言うバックボーンを持つ、明確な個性が込められたキャラとして登場し、絶望に苛まれ道を見失いつつあった女神たちを力無き者なりの言葉で鼓舞するという形で、彼女にしかできない活躍を見せる。
特にリリーバイスを喪い役割を引き継いだドロシーはその境遇に疲弊していたが、ピナの助言に背中を押されて心機一転し、ゴッデス部隊リーダーとして一皮剥けた立ち回りを行うに至った。
以下、ネタバレ注意。
ピナの言動をきっかけに誇りを取り戻しつつあったゴッデス部隊の拠点に、ラプチャーの群れが襲来。生存者の多くが資源収集で出払っていたため、ドロシーと2人だけで防衛戦に臨む事となる。何とか撃退には成功するが、その時受けた侵食攻撃により、ピナは自我の消失を待つ身となってしまう。侵食された者の末路を知るピナは、手遅れになる前に…と絞り出すような声で傍らのドロシーに己の処分を乞うのだった。
後に駆けつけた紅蓮の弁によれば、ピナが戦ったラプチャーは「自分達の5倍はあっただろう、力の差は歴然としていた」個体だったそうで、それを単身で撃破したピナを「その瞬間、彼女もまたゴッデスだった」と口惜し気に称えている。
ピナの死は親しかったドロシーの心に大きな傷痕を残し、その後の彼女の歩みに深く影響を及ぼしてゆく。
現代のドロシーの頭部パーツには、ピナが着けていたものと同じ形状のアクセサリが、上下を逆さにした状態で添えられている。また後の1stアニバーサリーに合わせて実装された新コスチューム『ノスタルジア』にて、ピナを模したと思しき人形が添えられているなど、依存の深さを思わせる演出が散見される。
余談
ピナ処分後ドロシーが発した慟哭に「私の…大切な…翼…」という一節があるが、同音のピナ(pinna)という単語には、耳介の他に動物のヒレや翼の意味がある。