概要
中生代の前半期に栄えた「板歯類(ばんしるい)」というグループの一種。ヨーロッパとアジアから化石が見つかっている。
名前の意味は「平らな歯」。
全長2メートルから3メートル。
容姿や生態はウミイグアナに近かったと見られているが別にウミイグアナの先祖というわけではなく、むしろプレシオサウルスのような首長竜に近かった。
骨の全体的なフォルムは海牛にも似ており、収斂進化ではないかという意見もあるが、これはあまり支持されていない。
胴体の骨は頑丈なつくりで、内臓を保護するだけでなく、水中にとどまるのを助けた。
一方で、四肢は貧弱で、上陸をほとんど捨てて水中生活に特化していた。ただ、摂食や交尾、産卵の時は上陸したかもしれない。
背中には背骨に沿って一列の皮骨板があった。敵から身を守る効果が期待されるが、甲羅を持つものが多い板歯類の中ではもっとも軽装な部類の一つ。
頭部は短く高さがあり、筋肉の付着部が大きいため高い咬合力を持っていたものと推測される。前歯は3対で、奥歯は6対ある。前歯はほぼ水平に飛び出し、奥歯は短くて鈍い。
食性については諸説あるが、概ね肉食性だったのではないかと考えられている。前方に飛び出した前歯で砂の中の貝を拾ったり、岩に張り付いた貝を剥がしたりして、奥歯で噛み砕くという摂食様式が主に推測されるほか、飛び出した前歯で魚を仕留めることができたのではないかという意見もある。
一方でディードリッヒという学者は前述の海牛との類似性の研究で植物食性を示唆し、海草や海藻を食べたのではないかとしている。