プロフェッショナル社畜の流儀
1
むりはうそつきのことばだ
テイコウペンギンのストーリーの一つである。
「私にとって部下とは?ですか……」
「そうですね……泥団子ですかね」
「え?意味?泥団子って磨けば磨くほど輝くじゃないですか?」
「アレと同じで命令したらしただけ仕事を終わらせといてくれるんですよ」
テイコウペンギンにてアップされた最悪のインタビュー動画。
内容は、毎度お馴染みパワハラのプロフェッショナルこと上司が、某企画における自身の手腕……もとい悪行を赤裸々に話すという誰得な動画である。
タイトルとバナー画像を見て分かる通り、『プロフェッショナル仕事の流儀』のパロディ。断じてパクリではない。
正式な動画の名前は『ブラック企業のアツイ迷言5選』
どこかのスタジオでインタビューに答える上司。上記の台詞はその時のものである。
「どんな事を言って部下を働かせたか?」と聞かれた上司は「ではお話していきましょう。私の手腕の程を……」と得意げな笑みを浮かべる。
限界
- 夜通し仕事をし続けた結果、徹夜明けでグロッキー状態のペンギン&パンダに対し、出勤一番「おはよう!!働いてるか!!」と無駄に元気に言う。
- ペンギン「お前が家で寝てる間も働いてるぞ」
- 「もう限界です」と青い顔で呟いたパンダに対し、「限界が何のためにあるか知ってるか?限界は超えるためにあるんだぞ!」と少年漫画みたいな理論で突っぱねる。
- ペンギン「労働基準法が何のためにあるか知ってる?」
- 「一日平均で15時間も働いていて死にそう」と訴えるパンダに対し、「成果が出ないなら倍働けばいいだろ!!」と言う。いや、論点はそこじゃない。
- ペンギン「一日が何時間か知ってる?」
感謝
- 開口一番「いつも感謝の言葉を忘れるな」と言う上司に対し、「この会社以外の全てに感謝してる」と返すペンギン。すると「お前がそんなことを言えるのは会社への感謝が足りないからだ!!」と逆ギレ。ブラック企業のどこに感謝しろというのか。
- ペンギン「お前の言う感謝は会社に文句言うなって事だろ」
- 勤労感謝の日=祝日に出勤させられている事に突っ込むパンダに対し、「働けることに感謝しながら働く日だ!!」と斜め上に解釈した超理論、というか屁理屈で返す。
- ペンギン「じゃあ他の日は憎しみを持って仕事して良い?」
何のために
- 「休むために働き、食べるために働く」と言う二人に対し、「違うだろ!?働くために休んで働くために食べるんだよ!?」と社畜理論を振りかざす。
- ペンギン「じゃあ仕事しないお前は何のために休んで食べてるの?」
成長
- 「俺が若い頃は無給で働いていたんだぞ!」と上機嫌かつ如何にも誇らしげに宣う。ペンギンに「違法労働を誇るな」と突っ込まれると、「成長させてもらうんだから当然だろ!!」と返す。典型的な昭和脳である。
- ペンギン「お前への憎しみだけはスクスク育ってるな」
- それを引き合いに出して「全くお前らと来たら給料ばっかり請求しやがって!」と給料未払いを正当化。手段が目的にすり替わっているし、そもそも人は給料を貰うために働くのだが。
- ペンギン「会社が要求ばっかで給料少ないからだろ」
無理
- ペンギンに仕事を押し付けようとして「無理だ」と返されると「お前は簡単に無理だと言うなあ。俺の憧れの人の言葉をお前らにくれてやろう」と言う。
- ペンギン「そんなのいらないから給料と休日をくれ」
- ……で、その言葉と言うのが「無理は嘘つきの言葉だ」。上司の代名詞である。それを引き合いに出して「途中で止めてしまうから無理になるんだ」と主張。
- パンダ「無理だから途中で止めてしまうんですよー」
- 「鼻血を出そうがぶっ倒れようが一週間強制的に仕事をやらせれば、無理じゃなかったということになる」という脳筋思考で某企画上層部の方針を正当化。
- ペンギン「いや、一週間やったんじゃなくてやらせただけだろ。鼻血が出ても倒れても」
- 挙げ句の果てに、「もう付き合いきれん」と呆れ果てたペンギンが退職しようとするが、それに「無理だ」と返す。アンタも嘘つきの仲間入りになりますが……
上司「ということを言って部下を働かせてましたね」
刑事「なるほど、それは強制労働と脅迫罪だね。1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金になる可能性大だから」
上司「そんなー!!」
……そう、これはインタビュー動画ではなく取り調べの最中だったのだ。
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