ケシから採られたアヘンに含まれるモルヒネから精製される薬物。元々はアヘンの毒性を解決するために作られた薬だったが、ほどなくして、その害毒はアヘン以上に著しいことが判明し、各国で規制対象となっている。
日本国内では麻薬及び向精神薬取締法による規制薬物。
麻薬の王(The king of drug)と呼ばれ、途方も無い多幸感をもたらすが、その反面禁断症状も数ある薬物中最も苛烈である。
多幸感の正体は「恐怖・不安・苦痛」の感情がヘロインによって無理矢理抑え込まれている状態である為、効き目が切れると一気にそれらが襲い掛かってくるのだという。
特に禁断症状は「風が吹き抜けただけで痛い」「全身の関節が激痛に見舞われる」「猛烈な暑さと凍えるような寒さが数秒ごとに交代する」といった症状が現れるといわれ、この苦痛から逃れるためさらなる悪循環に走る中毒患者も少なくない。錯乱状態になったり死亡する者も後を絶たない恐ろしい薬物である。
60年代に密輸を思いついたベトナム戦争に従軍していた兵士たちによってアメリカで爆発的に広まったが、アメリカ政府の厳しい取り締まりとその強力すぎる毒性が敬遠され、80年代に入る頃にはほぼ廃れてしまった。
しかし、90年代の法改正でオピオイド系の鎮痛剤が手軽に購入できるようになってヘロインなどが密造されるようになるとラストベルトなど貧困白人層が多く住む地域で乱用問題が再発。その猛威はアメリカにおける白人男性の平均寿命を下げるほどのものであり、再びドラッグの女王(Heroine)としての地位を奪還しつつある。