概要
『ストリートファイター6』の新モード「ワールドツアー」の物語における主要人物。
NPCであるためプレイヤーによる操作は不可能。今後PC化するかは今の所不明。
本名はボシュ=ワラヤ。本作オリジナルの架空国家ナイシャール出身の青年。家族に齢の離れた妹ユアがいる。
とある事情から、アメリカ・メトロシティにある民間警備会社「バックラー」に務めるルークの下で基礎トレーニングコースを受講しており、同じくコースを受講しにきた主人公(プレイヤーのアバター)の兄弟子 兼 ライバルの関係となるが…
人物
東南アジアの国々がモデルとされるナイシャール生まれということもあり、褐色肌と民族的な衣装が印象的な青年。ネコ科動物を連想させるややツリ目の鋭い目つきをしており、髪は黒をベースに各所に赤いメッシュの入った長髪、両サイドの髪の一部を三つ編みにまとめている。
国政介入したJPの影響で、古来からの国の遺産や伝統、治安悪化により自身らの生活が破壊される現状への憂いから、打倒JPのために「強さ」を渇望している。そのため、「強さとは何か?」という漠然とした理由からファイターを志した主人公の事をはじめは快くおもえないところが強かったようだが、勝負で自身と引き分け、短いながらも共に街を巡った際の交流により打ち解け、またその後も再会する度に力を身に着け成長する姿に見識を改めるようになる。
祖国の事情もあり、会話内ではその焦りを顕に場を乱す場面を度々見せていた一方で、当初の街でのチョートリアルイベントでは、売店のピザを美味しそうに頬張ったり、アパレルショップで買った帽子を自分の装いと合わない気がして照れくさそうにしたりと、感受性豊かな一面もみせている。また、妹のユアは勿論、僅かな期間ながらも交流したルークや主人公への愛着も強く、上述の街巡りで共に行動した主人公に対して、チャットや直接の会話の中で度々「楽しかったよな…」と良き想い出として振り返っている。それ故に「己の事情に巻き込むまい」という心情が働き、詳細を打ち明けず遠ざける姿勢を終始取り続けてしまう。
ワールドツアーでの動向
ある日、バックラー社の訓練場を訪ねてきた主人公と出会う。はじめはルークが主人公に指導する様子を見学していたが、冗長に感じたのか主人公目掛けて飛び蹴りを放って話に割り込み、そのまま突発勝負を展開する。クロスカウンターでダブルKOとなったタイミングでルークから咎められつつ主人公と和解し、またその際の問答でボシュが漏らした「実践的な訓練がしたい」という要望も組んでもらい、主人公と共にビートスクエアに出かけることに。
同じく指導役のアリスとその兄たちから手ほどきを受けたり、実際に通行人とファイトしてみたり、食事や買物を楽しんだりと、ストリートファイトの要領を掴み、最後は遅れてやってきたルークを相手に主人公と共闘。まだまだ敵うことはなかったが、ルークからは「この短時間で自分に挑めるほどの度胸を身に付けて成長した二人は、もう立派な弟子だ」と認められた。
その後、続けてルークから「二人で世界を回ってみてはどうか?」という提案をされるも、祖国の危機への焦燥感のあったボシュは拒絶。指導してくれたルークには感謝を、主人公にはいつか再戦を希望する言葉を贈って何処かへと駆け出してしまった。
以降、主人公は同じくメトロシティ在住の春麗をはじめ世界各地の師匠(本作PC)たちから師事を仰ぎつつ、マイク・ハガー記念スタジアムにて開催される国際試合のノービスリーグに焦点を当て活動するが、夜のダウンタウンにてボシュと偶然再会する。実はこのときボシュは、祖国ナイシャールで近々開催予定の「ナイシャール親善格闘大会」に参加するため、同じく参加を予定していたメトロシティの古参ギャング組織マッドギアが大会出場枠を持つとある派閥にかけ合う為に用意していた上納金を強奪し逃亡していた。丁度追われていたところで奇しくも再会してしまった主人公と共闘し追手たちを叩きのめすが、追手の増員が現れたため、これ以上主人公を巻き込むまいと「お前は関係ない、危険だからすぐにここを離れろ」と伝え、追手たちを誘って再び逃走。
ボシュを心配した主人公は本腰を入れて彼の捜索に乗り出し、様々な伝手を頼ってようやくイギリス・キングストリートにいたボシュを発見する(結局関わることになったマッドギアであったり警察であったりに聞き込みをしていたが、最後は実は連絡を取り合っていたルークからのチャットで判明した)。現れた主人公に驚きつつも、差し出してきたバックラーの会員証から、彼が自分を同門のライバルとして心配してくれていることを理解し、その手をとろうとするが…
直後、バイクをフルスロットルで吹かしながらジュリが二人の前に現れる。とある組織からの依頼を受けボシュを攫いにきた彼女を相手に主人公と共に抵抗するが、ファイターとして駆け出しの二人はなす術なく無力化されてしまう。邪魔立てした主人公を「ターゲット対象外なら殺してもいいよな?」と詰め寄るジュリに、ボシュは「こいつ(主人公)は俺に忘れ物を届けに来ただけ」だと弁明し、先程の会員証を受け取る素振りをみせながらこっそり謎のデータカードを渡し、そのままジュリのバイクに乗せられて連れ攫われていった。
その後、主人公はカードの暗号解析により知り合った謎のチャットアカウント「アスタリスク」からのタレコミにより、ボシュの誘拐を依頼したのは、前作『V』にて壊滅したシャドルーの残党たちであったことを知る。総帥ベガを失ってからもサイコパワーを用いた人体実験を続けていた彼らは、ボシュを実験体にするためジュリに依頼を送っていた。施設に送られたボシュは予定通り実験が施され、サイコパワーによる凄まじい力を手にするが、そのエネルギーによって理性が徐々に保てず暴走するようになり、シャドルーの研究員たちも失敗とみて実験体から「ダンボール闘奴」に格下げした。
大幅に予定は狂いつつも、当初より求めていた「力」と「親善試合の出場権」を手にしたボシュは、反政府派のリーダー・カリマから認められ「親善試合で優勝し、チャンピオンベルトに仕掛けた時限爆弾でJP諸共自爆する」指令を受ける。しかし、ボシュを攫ったシャドルー残党の動向を追っていた主人公もまた、彼らの主催するナイシャール・ロウランドのアウトローたちのトーナメントにメトロシティ(マッドギア)代表として参戦(ボシュの奪った金も、元々この為にシャドルー残党に渡そうと用意していたものだった)、結果優勝し親善試合への出場権を獲得していた。焦ったボシュは闘奴の姿を利用し、主人公を骨折なり要入院の怪我を負わせて親善試合を辞退させようと襲撃するが、SiRN社ビル屋上での闘いにて、主人公との初戦時と同じくクロスカウンターで引き分け、またその拍子に被っていたダンボールも外れて正体がバレてしまう。
後に反政府派の隠れ家でカリマの計画を知らされた主人公は、計画を止めるべく結局親善試合に参加。決勝前、いよいよ正気を保つことが難しいほどパワーが増幅し、このままでは試合で主人公を殺しかねないとみて、苦しみながらも控室に直談判に現れるが、彼に手を取られた瞬間不思議と狂気が薄れる感覚を覚え閉口する。去り際、ボシュは主人公に対し「おまえとは、もっと違った形で……勝負をつけたかったな。」と寂しそうに語り、一筋の涙を落とし控室を後にした。
決勝戦後、想定通りJPがベルト授与のため壇上に現れるが、既にカリマたちの計画を見透かしていたJPは、粋な計らいを演じて大会成就祈念の踊り子として招かれていたユアに授与の役目を譲り、ボシュに見せつけるように時限爆弾のスイッチを起動する。何も知らずベルトを持たされた妹の身を案じたボシュは、ユアに正体がバレることも忘れて表彰台から飛び出しベルトを強奪。そのまま人のいない遠方へ投げ捨てようとするも、無情にもベルトはボシュの手を離れる前に爆発。舞い上がる火の粉と煙を払いながら駆け寄った主人公は、黒焦げになり横たわるボシュの姿を前に膝を落とし絶望した。
性能
ボシュとして
「ルークスタイル」と表記されているが、基本の構えはスタイル元の当人や他の同スタイルファイターと異なるオリジナルのものとなっている。
直接の対戦機会はOPでの操作デモのみで、共闘場面もルーク戦、トレイシー&ライアン戦、マッドギア戦、ジュリ戦と非常に少なく、またいずれも序盤であるため技らしい技も殆ど使用しない。
ダンボール闘奴として
表記は以前と変わらず「ルークスタイル」
…なのだが、実際はルークとは(ほぼ)完全に別モノ…所謂表記詐欺である。
ワールドツアーが従来の格ゲーよりもRPG要素の強いシステム(レベリングや装備による能力強化、戦闘中のHP回復・能力バフアイテムの使用可…等)ということもあってか、初見ではまず攻略不可能なレベルの凶悪なボス性能となっている。
以下、例を上げると…
- タメ動作が無敵かつガード崩しの突進技。
- ODライジングアッパーみたいな通常対空技。
- スキ無しの多段飛び道具、突進技と一緒にガード不能連携を狙ってくることもある。
- 突進技の強化版にあたる1ゲージ非ロック乱舞SA、こちらも初段ガード崩し。
- SAを使ってくる数少ないNPCで内容はガード崩し突進→折り返し等でプレイヤーに素早く近づき、中段下段混じりの乱舞→最後はドライブインパクトで締める、というもの。
プレイヤーのチャンスは対空空振りくらい。初見殺しが強烈でガード崩しはパリィできないが、SAの初段さえを回避できれば残りをガードやパリィ可能、最終段後は高確率でインパクトを使用する。最後のインパクトを見計らってドライブインパクト返しで反撃していこう。
因みにサブミッション裏ボスのフォウルもこの闘奴のスタイルを使うか、飛び道具はほぼ使わない。
その他
人物像、ダンボール闘奴としての技名やフォウルの存在等から、英名が同じカプコンのRPG『ブレスオブファイア』シリーズのボッシュのセルフオマージュではないかとプレイヤーから推測されている。
ナイシャール親善試合の表彰式で死亡したとおもわれたが、事件後のカリマの口振りにはボシュが生きているとも取れる表現があったり、兄の死を知らされたユアも「(そう思いたくないという意味ではなく)生きているように感じる」旨の発言をしたりしていた。その後、シーズンパスYear1第1弾のラシード実装時期に、中止になっていたマイク・ハガー記念スタジアムでの国際試合本戦が再開され、受付でPC・NPCを織り交ぜたトーナメントがプレイ可能になるが、その出場者に時偶ダンボール闘奴が参戦している。
ボシュを改造したシャドルー残党は当初より「ネオ・シャドルー」を名乗っているが、Year1第3弾として実装されたエドとのやりとりから、同名の組織を名乗る彼らとは別派閥であることや「ボシュ以外の実験体の存在」が判明した。また、Year1第4弾豪鬼実装後の追加ミッションではシャドルー基地に潜入可能、そこにはボシュ関連の文書(研究員による実験経過記録やボシュ自身の手記)がある。