概要
本来は絵画や塗装作業において、塗装面以外に塗料がかからないように養生(マスキング)するためのテープ。色は黄単色が一般的。
素材はさまざまだが、概して一般的なセロハンテープよりも粘着力も剥がしやすさも優れている。
プラモデル製作においては本来の用途のほかにも仮組みの際にも使用されることがある。
近年では多種多様な色・柄のものが販売されており、テープ自体をイラストの一部として活用することもある。これを俗に「マステ」と呼び、今日ではファッションアイテム、ショップの限定グッズとしても定番化している。
この影響か、本来の養生用途で用いられるマスキングテープを販売しているタミヤが後者の用途用の模様付きテープを出した際は、「マルチテープ」名義で販売している。
経歴
このマスキングテープだが、実は岡山県倉敷市にあるハエ取り紙でお馴染み「カモヰ加工紙」がmtというシリーズを販売し、大ヒットさせた。そして、他に工業用補修テープなど渋いラインナップが揃っており、男性社員ばっかりだった企業に、東京からある一通のメールが届く。
「工場を見学させてください」
詮議の結果、彼女らの要望に応え、工場内を見学させた後、もう一度返事が来た。
「色付きのテープを作ってくれませんか?」
それと同時にマスキングテープを使った小冊子も送られてきた。これが全てのきっかけであり、ダメ元で単色のマスキングテープ「mt」シリーズをリリースしたが、これが予想以上の反響となり、東急ハンズ、ロフトからも問い合わせが来て、そのうち「柄つきも作れませんか?」など小売店や卸売業者からも要望が来るようになったという。そして、専用事業部を作り、デザイナーなども雇用し、mtを一つのブランドとして育て上げるのだった。
そうこうしているうちに「マステ」という言葉が一般化し、いつしかファッションアイテムとして評価され、また原価が比較的安価であり、製造しやすく物持ちも良いことから限定グッズとしても定番化することになったのだった。