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ランドシップ(ザブングル)

ざぶんぐるのらんどしっぷ

ランドシップとは、富野由悠季監督・サンライズのロボットアニメ「戦闘メカザブングル」に登場する陸上戦艦。
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概要編集

ランドシップ(略称:LS)とは、ロボットアニメ「戦闘メカザブングル」に登場する陸上戦艦である。


本作品世界の舞台となる「惑星ゾラ」は、大昔に襲った天変地異のため鉄道や飛行機、鋪装道路といった大量輸送システムが一切現存していない。海も殆どが干上がるか残っていても変色しているなどしており、交通の主要な経路は陸路になっている。そのため必要な物資の多くはランドシップと呼ばれる陸上艦船によって輸送されている。

作中における用語(シビリアン、イノセント、ブルーストーン、ウォーカーマシン(略称:WM)等)の詳細については親記事を参照。


作中の支配階級「イノセント」はブルーストーンと呼ばれる希少鉱物とランドシップや掘削・多目的に使えるメカ「ウォーカーマシン」や物資を交換し、一般階層「シビリアン」同士によって再分配されている。交換した物資はランドシップを有する「交易商人」や「運び屋」によって各地で定期的に開催される「バザー」と呼ばれる青空市場で物々交換やブルーストーンと交換されている。ただしゾラにはどんな罪も3日逃げ切れば消え失せるという「三日の掟」というものがあり、そのために略奪などが頻繁に起こっている(こういった略奪行為含む「契約次第で何でもやる」シビリアンを特に「ブレーカー」と呼ぶ)。

治安最悪のゾラで物資輸送を担うランドシップはブレーカーや盗賊からすれば格好の獲物であるため、作中に登場するランドシップのほとんどが自衛目的、あるいは略奪行為を行うブレーカー自身が運用するために武装が施されている。とはいえ基本的には輸送船であるため、陸上戦艦というよりは陸上用武装商船と言った方が正しいかもしれない。



特徴編集

  • 艦船要素

航行方法はホバーによる浮上移動(回転翼もしくはジェット・ロケットエンジン他)。ただし低速かつ燃費の悪さが上げられ、子供向けのアニメとしては非常に経済にこだわる(悪く言えば貧乏臭い)描写になっている。燃料は詳しく表現されていないが重油らしい。

上述のように基本は商船なため戦艦のような装甲はなく、構造も戦闘能力よりも居住性や貨物の搭載能力が優先されている。

護衛用としてWMを搭載するのが基本になっており、各艦種ごとの搭載能力の高低にもよるが、基本的にWMは露駐されていることが多い。

シビリアンが容易に運用や修繕を行うのを考慮し、伝声管や手動式扉やラッタル他、技術的にはかなりローテクな作りになっている。映像付き通信機が搭載されている艦種もあるが、画面や音声にはノイズが入ることが常で、作中でもあまり改善はされなかった。

これらの事から、ランドシップはシビリアン達の輸送船であり、武装船であり、WM母艦であり、移動式の家でもあると、シビリアンたちの生活に欠かせないいくつもの役割を持っている。


  • 武装要素

大体は76mm以上の口径を持った対艦用大口径砲やミサイルランチャーと、57mm以下の口径の対WM用機関砲が主武装。射撃統制的な装置はなく、砲付きの照準器で射撃するだけなので命中精度は砲手個人の技量に大きく左右される。


  • ザブングル要素

全長100mを超す大型LSを所有する者は、例外なくイノセントと直接取引する事を認められた証である「交易手形」を持つ交易商人である。交易手形を持ってさえいれば交易商人と呼ばれるようで、実務の実態がブレーカーであっても建前上は交易商人として振舞っている模様。交易手形がなければ大型LS所有は認められず、イノセントによる整備や補給も受けられないので、職業を問わず、ゾラでの成功を夢見るシビリアンは交易商人を目指している。ある程度の規模を持つ交易商人や一団は姓名を取って「〇〇〇一家」や「〇〇〇艦隊」と呼ばれるようになる。

新品や大型のLSは基本的にイノセントからしか手に入らないが、作中ではシビリアン同士で中型クラス以下の中古LSを売買している光景が見られた。

交易手形は世襲での引継ぎが認められているようで、作中ではヒロインの1人であるエルチ・カーゴが父親のキャリング・カーゴの死によって手形を引継ぎ、交易商人「カーゴ一家」を続けていた。交易手形と大型LSはゾラにおける最大のステータスシンボルと言えるだろう。



種類編集

大きく超大型・大型・中型・小型の4種に区分されている。その他特殊作業用のLSもいくつかある。


超大型ランドシップ編集

デラバス・ギャラン編集

X字の船体が特徴的な超大型LS。特に積載能力に優れる他、サイドスラスターが付いていて前後左右に自在に動くことが出来る。中央船体とそこから4つの船体が延びていて、各部にWMを搭載可能。船体全体に武装が施されており、主砲の砲門数では下記のアイアン・ギアー級を凌ぐ。単純な砲火力的には作中最強のLSである。

  • デラバス・ギャラン:デラバス・ギャラン級LS一番艦でネームシップ。ゾラで一、二を争う大物交易商人ビッグマン率いる交易商船団「ビッグマン艦隊」の旗艦。船体カラーは中央が黄色で、4つの船体の先の部分が赤。下記のアイアン・ギアー以外で唯一新武装の三連装遅燃性高熱散榴弾砲(通称:ポタン砲)を装備している。
  • ギブロス:デラバス・ギャラン級LS二番艦。主人公ジロン・アモスの仇敵ティンプ・シャローンにイノセントが支給したLS。船体カラーはティンプのイメージカラーであるダークグレー。度々ジロン達に襲い掛かるが、満足な補給ができなかったために退却を繰り返し、最後にはXポイントでの決戦でアイアン・ギアーに踏みつぶされた。

エンペラー改編集

デラバス・ギャラン級に似た船体を持つ超大型LS。WM運用能力・火力・機動力のバランスが取れている高性能万能艦で特に防御力が優れているらしく、ICBM級の大爆発を受けても船員が生き残れるほど。「改」と付いているが何の改良型なのかは不明。(というのも設定上に「エンペラー級」というLSが出てきていない。)

  • エンペラー(改?):正式な名前は設定されていないが、作中「エンペラー」と呼ばれていたので恐らくエンペラー改級LS一番艦でネームシップ。ジロンのライバルの1人キッド・ホーラにイノセントが最終決戦用に支給したLS。上記のICBMの爆発を受けてもホーラと手下のゲラバが生き残るほどの防御力を持つ。船体カラーはダークグリーン。
  • キャリング:エンペラー改級LS二番艦。イノセントに洗脳されたエルチ・カーゴが、下記のアイアン・ギアー級三番艦ギア・ギアを失った後にイノセントから受け取ったLS。艦名は洗脳されて過去の記憶を忘れているはずのエルチが無意識に浮かんだ父キャリングの名前を付けたもの。船体カラーは紫。

大型ランドシップ編集

アイアン・ギアー級編集

はがねの腕が大地を拓く

最大の特徴として人型ウォーカーマシンへの変形機構を持つ最新鋭の大型LS。武装も豊富ながらその長所を活かした格闘能力こそ最大の武器と言える作中最強のLSであり、同時に最強のWMともいえる。ただし新型であるために故障が多く、メカニックのコトセット・メムマはいつも愚痴をこぼしていた。

詳細は該当記事を参照。


中型ランドシップ編集

ガバリエ級編集

ガバリエ級ランドシップ

アイアン・ギアー級に並ぶ新型のLS。高い機動力の他、船体に対してホバーローターがかなり大きいために積載能力にも優れる。反面武装が中型LSとしては少なめで、また砲塔の配置が悪いために死角が多いという弱点がある。船体中央部にあるカタパルトのようなデッキが特徴的で、ここにWMを露駐する。

  • ガバリエ:ガバリエ級LS一番艦でネームシップ。イノセントの仕掛人となったホーラにイノセントが支給したLS。船体カラーはダークネイビーで、中央部に大きな太陽のマークが入っている。ホーラも新型LSを支給(ただし代金は後払い)された時は燥いでいたが、反イノセント組織ソルトのリーダーカタカム・ズシムの半ば暴走に近い攻撃を受け、最後はホーラの手で自爆させられた。
  • ホワイティ:ガバリエ級LS二番艦。イノセントが統率したブレーカー軍隊の内、女性を中心に構成された部隊を率いるキャローン・キャルの搭乗艦。船体カラーは名前の通り白。作中でも珍しい空戦型WM「ドラン」を搭載してジロンやソルトと交戦するも退けられる。キャローンが出奔してからの行方は不明。
  • ヨップ駐留艦(仮称):ガバリエ級LS三番艦。正式名称は不明で、船体カラーは上記のキャリングに似た紫。イノセントの指導者 アーサー・ランクが幽閉されていたドーム都市「ヨップ」に駐留していたLS。アーサーを連れ出したジロン達を追撃するために反アーサー派が使用したが、結局逃がしてしまう。1話限りで以降は登場しない。

ミッドシップ級編集

中型ランドシップとして作中で普及しているタイプ。双胴のホバーユニットの間に甲板を挟み込み、船体中央の艦橋から後部はそのままWM搭載用の露天甲板となっている。船体前面の中央部に大型クローアームを装備しているのが特徴。武装は中口径のものが多く、また配置のせいで一方向に火力を集中できないため、対艦戦闘能力は低め。2種類のタイプがある模様。

  • アースサンダー:アースサンダー型とも呼ばれる。下記のアースハリケーンよりも少し大型。普及数が多く作中各所で登場しており、代表的なものは以下の通り。
    • グロッキー艦:第1話に登場した栄えあるLS。ブレーカーと二足の草鞋を履く交易商人グロッキーが一家で使用しており、「アースサンダー」と型名そのままで呼んでいた。野心家のグロッキーをティンプが焚き付けてジロン達を襲わせるが、最後にはグロッキーが逆にティンプに騙されて死亡。以降は登場せず。
    • ガリー艦:大物交易商人カラス・カラスの弟ガリーの艦隊旗艦。船体カラーは茶色。ホーラの策略によって敵と誤認したジロン達と戦闘。ラグとジロンの奮戦によってガリーが負傷(後に死亡)、最後は損傷が激しかったのかそのまま打ち捨てられた。
    • グレタ艦:カラスの妻グレタの専用艦で、船体カラーは黒がメイン、各所に赤色。屋上にビニールプールとパラソルが備え付けられていた。ガリーの仇討ちとしてジロン達を攻め立てるが、変形したアイアン・ギアーのハンマーパンチで叩き壊された。
    • カルダス艦:ジロン達の協力者カルダス・ブルーンのLS。船体カラーはダークグリーン。イノセントとの決戦に臨むジロン達の増援として、下記のゴルゴンを売り払った資金でカルダスが中古品を2隻購入。カルダスの乗る艦は戦闘中にICBMを受けて吹き飛んでしまうが、もう1隻は最後まで戦い抜いた。
  • アースハリケーン:アースハリケーン型とも呼ばれる。アースサンダー型より小型で、クローアームを外した代わりに大型砲を装備し、更に艦橋の位置を船体後部に移動したことでWM搭載能力が向上している。実はアニメ中には登場していない没LSで、元々は上記のグレタ艦として扱われる予定だったが、絵コンテでグレタ艦にクローアームが付けられていたために別種として新たに設定された経緯がある。正式に登場したのは小説「北の大地のザブングル」で、その中では同じ型のアナンダ、コナンダというLSも登場した。

ダブルオール級編集

ミッドシップ級に次いで普及率が高い中型LS。箱型の船体で、車両運搬型渡し船のように上部構造物は橋状で右側に艦橋、左に砲塔を設置しており、艦尾から艦橋下までがWM搭載用の露天甲板になっている。作業用クレーンもあり、母艦的な機能を優先した特徴を持つ。船体格納庫は密閉構造になっており、WMを商品として扱う交易商人が使用することが多い。

  • パープルキャット:交易商人マダム・ギャブレット・ギャブレイコイツは別作品の同名の人違い)がビッグマンから借りたLS。船体カラーはパープルピンクで、目と唇のマークが描かれている。
  • ビッグマン艦隊所属艦:ビッグマンのデラバス・ギャランに随伴していた2隻のLSで、船体カラーはブラウン。ラグによってブリッジを破壊されているが撃沈はされた様子はなく、生き残っている可能性が高い。
  • グレタ:カラス・カラスの専用艦。船体カラーは黄色。愛妻家のカラスが妻の名前を付けた。ガリーの仇討ちとしてグレタと共に地形を生かしてアイアン・ギアーを攻撃するが、WMに変形したアイアン・ギアーに優勢を一気に覆され、最後はカラスの手で脱出のための目くらましとして自沈させられた。
  • ガウツ艦:洗脳されたエルチの副官となったブレーカーガウツ・ガムのLSで、船体カラーは赤褐色。ガウツ自身がエルチと折り合いが悪くサボタージュを決め込んで鍾乳洞に隠れていた所、別の所でジロン達が交戦していた衝撃で洞窟が陥落、結局一度もアイアン・ギアーと対することなくガウツ共々瓦礫に沈む。

ダブルスケール級編集

名前が表す通り、両天秤のような形をした中型LS。艦の前後がせり上がった独自の形状が特徴。艦首には6基のワイヤーアンカー射出装置があり、また斜めにせり上がった後部左右がまるごとホバー用の機関部となっておりサイズのわりに出力が高い。最後部はWMの格納庫で収納式のデッキがある。武装が対WM用で大口径砲を持たず、対艦戦では搭載WMに頼る必要がある。交易用には向かないため、一般にはほとんど出回っていない。作中で登場したのはビッグマンの艦隊に1隻、ホーラがイノセントから最初に受け取った1隻の計2隻のみ。


小型ランドシップ編集

ガバン級編集

ガバン級ウルフタイプ ランドシップ

ゾラではもっとも普及したLSである小型LS。四角い台船に小型艦橋を右へ寄せて取り付けた形をしている。WMは露天式で2~3機搭載可能。改造されたものが多くバリエーションが豊富で居住性に優れている。また、他のLSとは異なり交易手形が無くとも所有できるので、交易商人としてはまずこれを手に入れることがスタートと言えるだろう。成功した交易商人の中には、艦隊中の護衛艦や偵察艦として所有している場合が多い。大きく2種類のタイプがある。

  • バッファロー:バッファロー型とも呼ばれる。下記のウルフ型と比較してWM搭載能力で劣る反面火力で勝る。大型砲1門、中型機関砲1門、対WM用機銃1門、ミサイルランチャーと小型LSの割に結構な重武装である。作中いくつも出てくる中で代表的なのは以下。
    • アリゲーター、アナコンダ:ガリー艦隊所属のLS。2隻とも茶色の船体で艦首が青色。
    • カルダス艦:ブルーストーンを採掘する「ロックマン」をやっていた頃のカルダスのLS。船体カラーは薄い青色で、武装が殆ど無い。
  • ウルフ:ウルフ型とも呼ばれる。(上記のイラストが該当)バッファロー型と比較してWM搭載能力で勝る反面火力で劣る。こちらも作中イノセント・シビリアン双方の勢力で多数出てくる。代表的なのは下記。
    • ウルフ400:家出したブルメが手に入れたLS。艦橋に「UOLF400」と書かれているのが特徴で、他にも401~403と刻まれた船が随伴。ガバン級とはいえ短期間で4隻も手に入れたあたり、ブルメはかなり商才があった模様。ブルメが帰ってきたのに併せてカーゴ一家・ソルト連合艦隊にそのまま編入。

特殊ランドシップ編集

上記には該当しない特殊なLS。それぞれ用途に応じて能力を特化させている。

ゴルゴン編集

ドックシップとも呼ばれる工作艦。大きさ的にはアイアン・ギアー級より少し短めの大型LS。

他のLSを修理可能な工作設備を持ち、折りたたみ式の作業甲板や、作業用アームを備えた艦橋自体がレールで前後に移動する等、特徴的な施設を持っている。一般的に非武装のイメージが強いドック艦だがゾラで使われる船なだけあってちゃんと武装も施されており、小型の対WM用機銃とはいえ10門も搭載しているため大型LSに迫る火力がある。

移動式修理工場編集

上記のドックシップが出る前に登場した。LSというよりはホバー移動式の工場と言った見た目。

キャメル編集

空戦型のWMドランを搭載する事を目的とした航空母艦的なLS。大きさ的には小型以上中型未満。キャリアーシップとも呼ばれる。

フラッペ編集

所謂補給艦的な扱いのLS。ランドボートともよばれ、小型LSのガバン級よりも小さい。後部にボンベ状の大型燃料タンクを3基もち、艇首にブリッジと物資搭載用のハッチがある。武装も小型ながら機銃が3門装備されており、小型WMなら2~3機は搭載可能。

ウォーカー・タンカー編集

フラッペと同じく補給艦的なLS。ホバー移動ではなく6つ足を持っていて不整地での移動・補給に優れている。補給物資に引火するのを恐れてか、ガバン級より大きめのLSながら非武装。


関連項目編集

フリーデン ランドシップ 陸上戦艦

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