アイアン・ギアー級
あいあんぎあーきゅう
ロボットアニメ『戦闘メカザブングル』に登場する陸上戦艦「ランドシップ」(略称:LS)の一種で、大型のランドシップに該当する。
最大の特徴として人型ウォーカーマシンへの変形機構を持つ最新鋭の大型LS。武装も豊富ながらその長所を活かした格闘能力こそ最大の武器と言える作中最強のLSであり、同時に最強のWMともいえる。
単純に人型に変形することで高所からの砲撃が可能になるだけでも強力無比。よく作風含めてイデオンと比較されるが、あちらが全高105メートルなのに対し、アイアン・ギアーはLS形態で全長168.7m、WM形態で全高128.6mと人型で比べても20m以上大きい。こんな巨体が突然目の前に現れるのだから敵が度肝を抜かれるのも納得である。
動作も人型であるだけに柔軟で、特にアイアン・ギアーに至っては片足でバランスを取りながら後ろ蹴りで周囲を飛び回るドランを撃破するという離れ業も見せた。
アイアン・ギアー級の人型変形機構について、メカニックのコトセット・メムマは「元々殴り合いのためについている手と足だ!」と豪語しているが真偽は不明。
本来交易が目的のLSに、人型WMとしての変形機構と手足を付ける理由は無く、作中では謎のままだった。終わってみれば本当に殴り合いのために付けた可能性はある(他に作業をするならクレーンアームで事足りるはずで、作中にはこの大きさの手に持たせる武装も無い)。あるいは、「対LS用」だったのかもしれない。
交易商人の使うLSとしては正直あまり使い勝手の良い物ではないが、アイアン・ギアー級は当時の最新鋭艦であると同時に最強のLSでもあり、キャリング一家が所持する一番艦のアイアン・ギアーはザブングルと共にイノセントから直接受け取った経緯がある。イノセントと取引ができるのは、手形を持った大物交易商人に限られるため、キャリング一家の様に「イノセントから直接最新鋭のLSとWMを貰った」という事実自体が商人としての格に箔を付け、有力な交易商人であるという宣伝効果にもなっている。
ジェット噴射を行いながら艦体が立ち上がってWM形態になる変形バンクのド迫力は流石の一言だが、実は地味にブリッジ(WM形態の頭部)の変形バンクだけ動きが逆になっているのはご愛敬。(結局最後まで修正されなかった。)
また、開発して間もない最新鋭のLSである上に複雑な機構を搭載しているために故障も多く、コトセットはいつも愚痴をこぼしている。その他にも積載能力が低く燃費も悪いと、輸送船としての能力は大型LSの割に低めである。
アイアン・ギアー
アイアン・ギアー級LS一番艦でネームシップ(上記イラストが該当)。ゾラでも有数の交易商人キャリング一家の棟梁キャリング・カーゴがイノセントから給与されたもので、キャリングの死後は娘エルチ・カーゴと主人公ジロン達の母艦として運用されていく「戦闘メカザブングル」のシンボルの1つ。ただし、人型への変形に関してひたすら故障が多く、特徴であるはずのWM形態はこの時はさほど見られなかった。度重なる激闘による損傷の蓄積と、後述のグレタ・ガリーとの対決により物語中盤で大破。最終的に修理用にパーツを取られた後に爆破処理される。船体カラーは赤。
コトセット「元々殴り合いの為に付いている手と足だ! 見ていろよーっ!」
「カ・イ・カ・ン…!」
グレタ・ガリー
アイアン・ギアー級LS二番艦。一番艦のノウハウを活かして建造されたアイアン・ギアー級。艦名の由来は、艦長である大物交易商人カラス一家の棟梁カラス・カラスが仇討ちの象徴として妻(グレタ・カラス:実は死んでいない)と実弟(ガリー・カラス:本当の仇はホーラ)の名から命名。なので元々は別の名前があったのかもしれない。
ホーラの策略によって弟と妻、そして自身のランドシップや多くの部下等財産と兵力の殆どを失ってしまったカラスだったが、アイアン・ギアーへの仇討ちのために並々ならぬ執念を燃やし、イノセントに自身の交易商人としての実績のみを担保にした前代未聞のランドシップの前借りを願い出て受領し、黄色い艦体に大きく赤字で「G・G」と描いて復讐戦に臨んだ。(ただし前借りについては「同等の戦力をぶつけてジロン達の実力を測る」というイノセントの執政官ビエルの思惑によるもので、カラスは利用されていただけだった。)その鬼気迫る姿に、エルチも「敵の戦力が少ない今の内に倒しておかないと、3日経っても追いかけてきそうな気がする」とこぼしている。
カラス一家との連戦で満足に動くことさえできないボロボロのアイアン・ギアーと消耗したジロン達に襲い掛かるも、二度の戦いに敗北した時点でカラス側の資金が底をついていたために追加の兵員やウォーカーマシンの補充ができず、また操艦テストも行わずにぶっつけ本番で戦闘に挑んだ事による不慣れや、カラス自身が商人気質で戦闘が苦手であることによる焦りもあって性能差を活かせず、最後はザブングルによって変形を強制解除された隙に、応急修理が完了したアイアン・ギアーの捨て身の突進を受け、カラスは突進の衝撃で落ちてきたブリッジ構造物の下敷きとなって死亡、敗北する。
その後は一番艦のパーツ流用で修理された上で赤色に塗り替えられ、アイアン・ギアーの名を引き継ぐことになる(なお、この戦いでジロン達もグレタ・ガリーの変形阻止のために脚部のつっかえ棒となったザブングル1機が完全に壊れてしまうという大きな損害を被った)。
アイアン・ギアーの実戦データの活用に加え開発技術が確立したおかげか、一番艦よりも様々な面で改良がなされており各種武装やエンジンの性能が大幅に向上、内部機関の不具合も減ったことで変形しての戦闘の頻度も大幅に増え、二代目アイアン・ギアーとして最終話まで八面六臂の活躍を見せた。ただし通信機に関してはアップデートがされていない模様。一番艦とは艦橋のデザインに若干違いがある。
カラス「パターン破りのザブングルと言えども、同型艦が敵となって出てくるとは思うまい!」
ギア・ギア
アイアン・ギアー級LS三番艦。初めから純粋な戦闘艦として設計されているため、戦闘力は一番艦・二番艦よりも更に上。艦長はイノセントに洗脳されてジロン達の敵に回ったエルチ。独自の特徴としてはブリッジ上部(つまりWM形態の頭のてっぺん)に露天指揮用のデッキがあり、各部への伝声管が備え付けられている。
カラスがグレタ・ガリーを前借りしたときに訪れたポイントのドックにて、建造中のアイアン・ギアー級と見られるランドシップが1隻あったのが恐らくこれと思われる。
グレタ・ガリーから更なる改良が行われたらしく性能はより向上していると言われていた(エルチが「新型であるだけこっちの方が強い」と言っている)が、度重なる不具合の対処とアイアン・ギアー級の操艦技術で勝るコトセットの前にはてんで敵わず、WM形態同士での豪快な殴り合いの末に撃破された(この戦闘でアイアン・ギアーは見事なスウェーバックでギア・ギアのパンチを避け、逆にギア・ギアに強烈なパンチを当ててウイングと肩の機関砲を破壊、最後にはキックで豪快にすっ転ばしている)。
コトセット「はっはっは!アイアン・ギアーの扱いはこっちのがプロだよ!」