概要
ラーとは、「スペクトルマン」に登場した、宇宙猿人ゴリの部下である。
ゴリの忠実な部下であり、元はE惑星の軍人。自身もその事を誇りに思っている。
精神改造刑に処される寸前のゴリを助け出し、彼を救って円盤に乗せ、E惑星をともに脱出。地球に辿り着き、ゴリの地球制服の野望に付き従う事となる。
ラーのキャラクター
その腕力は、地球人の20倍。猿人社会では最も知能が低い種族で、IQは50程度。
性格はいたって単純で、感情の起伏が激しく、怒ると怖い。実際、地球上に降り立つと、殺人しまくっていた。
ゴリの地球侵略計画のために、円盤内の機器の操作から、地球上の偵察、怪獣の操縦など、様々な仕事を担う。しかし失敗も多い。
また、腕力が強くともスペクトルマンにはかなわず、ゴリには怒られてばかりいる。
しかしゴリの事は尊敬しており、決してゴリに歯向かう事もなく、裏切ったり謀反を起こそうと思った事は無い。また、彼自身には野望らしきものも無く、ゴリに従い認めてもらう事が何よりの名誉と考えている節もある。
時折、ゴリの独特の手振りを脇でこっそり真似ていたりする。
しかしそれでも、やたらに怒るゴリに対しては不満も感じており、一人で愚痴をこぼす事も。
話が進むにつれ、力が強い事が取り柄だったのが、光線銃を持たねばGメンにもかなわないようになってしまった。
しかしそれでも、ギラギンドやバロンザウルスといった怪獣の製造を担当したりもしていた。
また、透視能力を有し、生物に取りついたズノウ星人を見破った事もある。
最期
長くゴリとともに(2人だけで)、スペクトルマンおよび公害(怪獣)Gメンと戦ってきたため、その間には上司と部下以上の、友情めいたものも存在していた。
最強の怪獣ディサイドマンが敗れた際、ゴリに叱責されたラーは、その命を投げ出す覚悟を決める。
ラーは、ディサイドマンに移植したボクサーの中枢神経を、今度は自身の身体に再移植してもらい、爆弾を体に内蔵。さらに、スペクトルマンの必殺光線、スペクトルフラッシュをほんのひと時だけ我慢できるように改造してもらった。
ラーは「長くお世話になりました」と、涙と共にスペクトルマンへと向かい、ゴリもまた「ひどい博士と恨んでもいい。地球征服というわしの野望の為に犠牲になってくれ」と涙を流し見送った。
そして、スペクトルマンと最後の決闘に臨む。猿人爆弾となり、猿人アタックでスペクトルマンもろとも自爆しようと迫るが、すんでのところで連続でフラッシュを放たれ、道連れにできぬまま爆死した。
ゴリはそれを見て、ラーひとりを逝かせないとばかりに、自身も爆弾を抱え崖へと飛び出し、その命を絶つのだった。
エネルギー源、及び嗜好品
企画書などでは、ラーのエネルギー源、および嗜好品について設定されていた。
ラーは、エネルギー源として「N・G・N」を日常的に摂取。嗜好品として「B・N・N」を摂取していた。
これらは実は、地球上における「ニンジン」「バナナ」と同じものだった……という設定が存在していたが、本編中に活かされた事は無かった。
巨大ラー
5話に登場した、ゴリによって巨大化されたラー。
秘密基地の場所を知られないように、スペクトルマンの関心を反らすために新宿に送り込まれた。
ラー自身は、自分は軍人である事を誇りに感じており、怪獣と同じ扱いをされる事には不満を感じていた。
それでも防衛軍のジェット機や、巨大化したスペクトルマンと交戦。しかしスペクトルフラッシュを受けて劣勢になったところを、見かねたゴリにより元の姿に戻された。
ラー2号
5話、6話に登場した、上野動物園のゴリラを改造して作り出した新たなラー。
ゴリの改造で知能も上がっており、ラーの事を見下した態度を取った。巨大化したラーが暴れている間、公害人間に改造するための人間の誘拐を命じられる。
二人で協力してスペクトルマンと戦うも、結局ゴリの元には戻ってこなかった。
ちなみに初期設定では、ラーは1号から3号まで存在していたらしい。
また、着ぐるみの劣化から、番組中盤からのラーの着ぐるみは、ラー2号の着ぐるみを流用している。
太陽マスク
42話、43話に登場した、ラーが変装したヒーロー(?)。
「宇宙から来た、正しい子供たちの味方」と名乗り、勉強嫌いの子供達に催眠能力や驚異の科学力を与えた。子供たちの脳内イメージを実体化する装置で、テングドンやカバゴンといった怪獣を作らせ暴れさせる。しかし子供たちが学校を破壊して満足したために、正体を現し、無理やりカバゴンを暴れさせた。
まさかの復活
2005年公開の実写映画『魁!!クロマティ高校』にてゴリ共々まさかの本人役かつメイン悪役として登場。
こちらでは基本的に台詞は「ウオォォ!」といった唸り声や咆哮のみとなっている。
しかし目立っていないというわけではなく、作中ではゴリラ(豪ヒロミ)と仲良くなったり、ゴリが自販機と間違えたメカ沢に気付いたりとで存在感は十分にあった。
終盤では竹之内豊とタイマン勝負を繰り広げる。