概要
品格はあるが金は無い没落貴族の一人娘で、ヴィクターの本来のフィアンセ。
両親が勝手に決めた財産目当ての結婚に少し不安を感じていたが、相手のヴィクターと顔を合わせたその日に彼と心通わせ、彼と同様に心から結ばれたいと望むようになる。物静かでおしとやかな性格で、自分の気持ちとは裏腹に強引に決められた結婚に不満を抱きつつ諦めを覚えていたが、一目惚れしたヴィクターがエミリーに連れ去られたことで、内に秘めていた芯の強さと行動力を発揮していくようになる。
しかし、極めて厳格かつ高圧的の完璧主義者な両親の態度には逆らえず、音沙汰のないヴィクターとの婚約を一方的に破棄された上、バーキス卿と結婚させられることになってしまう。
終盤におけるネタバレ
バーキス卿は、数年前に婚約者を事故で亡くしてしまったと語っていたが、彼の正体は結婚詐欺師であり、エミリーを殺害した張本人であった。勿論エヴァーグロッド家に近づいたのも金のためでしかなく、結婚した暁にはエミリー同様にヴィクトリアを殺害して財産を持ち逃げする算段だったと思われる。最もエヴァーグロッド家が没落貴族である事までは知らず、ヴィクトリアから無一文だと聞かされて「この結婚に失望してるって意味では私達お似合いみたいね」と盛大に皮肉られてしまう。
その直後、ヴィクターは乱入してきたバーキス卿からヴィクトリアを守るためにフォークで果敢に戦い、エミリーの助けを借りながらも無事守り切る。
エミリーから結婚指輪を返された二人は、たくさんの美しい蝶になって月へと昇っていく彼女を静かに見届けるのだった。