CV:ヘレナ・ボナム=カーター/吹き替え:山像かおり
概要
本名:エミリー。本作のヒロインである、「死体の花嫁」。所々体が腐敗しており、骨が露出したり目玉が外れたりする。
数年前に一文無しの恋人との結婚を父親に反対され駆け落ちを計画した。決行の夜、母親のウェディングドレスで身を包み、ほんの少しの金と宝石を持って森で待ち合わせていたが、駆け落ちするはずだった恋人に殺害され、金と宝石を奪われてしまった。以後、彼女はウェディングドレス姿のまま死者の世界をさまよい、運命の人が現れるのを待っていた。そこへ現れたヴィクターからプロポーズされたと勘違いし、ヴィクターとの関係を深めようとするも、既に生きている婚約者がいることを知って深く傷つき、生者と死者という壁ゆえに報われぬヴィクターへの想いに苦悩する。
当初は結婚への憧れからヴィクターと結ばれることに躍起になっており強引な面も目立っていたが、本来は心優しい性格であり、婚約のお祝いにヴィクターの死んだペットを見つけてプレゼントしてくれたりと美しい心の持ち主であるが、逃げ出したヴィクターが本来の婚約者であるヴィクトリアと一緒にいるところを見て、彼女が怒りを露わにするシーンは結構怖い。
終盤におけるネタバレ
ヴィクターと結婚するには彼に「死者の世界の葡萄酒」を飲ませ、死者として地下の世界に閉じ込めるしかないというグートネクト長老の言葉に悩む。その後、結婚を決意したヴィクターと地上で正式に結婚式を挙げることになるが、そこでヴィクトリアの姿を見て「結婚の夢を奪われた自分が、今度は別の誰かからその夢を奪おうとしている」と気付き身を引く(その理由は、「自分の結婚願望が生きている人間同士であるヴィクターとヴィクトリアの結婚を壊してしまうため」)。
そして自分の命を奪った仇でもあり、結婚詐欺師でもあるバーキス卿に怒りを叩きつけ、彼が死者の世界へ引きずり込まれてゆくのを見届けた。しかし、彼女は積年の恨みが晴れたにもかかわらず、その顔にはどこか複雑そうな表情が浮かんでいた。
全てが終わった後は「失恋」という形で結婚への未練に区切りがついたのか、エミリーはヴィクターたちに青いバラをプレゼントし、二人の門出を祝うように静かに微笑んだ。その直後、彼女の体は無数の蝶となって、天へ昇って行った。