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概要編集

「不能犯」は、宮月新原作、神崎裕也作画による日本の漫画作品。グランドジャンプにて、2013年10号から2020年23号まで連載された。


2018年に映画化。主演は、松坂桃李。映画化にあたって、主要キャラクターの性別が入れ替わるなど変更がなされている。


あらすじ編集

宇相吹正は、とある電話ボックスに依頼人が殺して欲しい相手の連絡先と理由を書いた手紙を貼ると、完璧に始末してくれることから、SNS上では「電話ボックスの男」と呼ばれていた。彼の犯行は、マインドコントロールによって精神的に追い詰め、ショック死させることから、警察では実証不可能な犯罪であることから「不能犯」と呼ばれていた。


ある事件で刑事・多田友樹は宇相吹の身柄を確保し、事情聴取を実行するも逮捕に至らず、多田と宇相吹の行動は平行線を辿り、様々な事件を引き起こすようになる。


登場人物編集

本作の主人公であり狂言回し

常に黒いスーツを着た経歴不詳の男。口癖は、「愚かだね… 人間は」

依頼を受けて標的と定めた人間に対し、巧みな心理操作で、思惑通りに動くよう誘導し、最終的に極度の精神異常からのショック死または自殺に追いやったり、あるいは殺人などの犯罪行為を犯させることで破滅に追いやる凄腕の殺し屋で、劇中において依頼された殺しに失敗したことは(標的を殺す前に依頼者が死亡または植物状態になるなどで、依頼自体が無効となったケースを除き)ほぼ皆無である。

ただし劇中で宇相吹に殺しを依頼した依頼者たちのほとんどは、思惑通りの結末を迎えること無く、大抵は依頼完遂後に依頼者自身も何らかの形で破滅または死という悲惨な結末を迎える。

依頼人を選別している事が幾度か描かれており、明言はされていないが破滅を招く依頼人から優先的に仕事を受けている様子がうかがえる。

その心理操作能力は文字通り天才的なもので、口先だけで人の猜疑心、焦燥感、恐怖心、欲望を極限まで掻き立てるばかりか、意図した内容の幻覚、幻聴を見せたり、果てはその人物の“本能”を刺激することで人間離れした腕力、握力、抱擁力、などを引き出させるといったことさえもこなしてしまう。そうした優れた心理操作能力によって決して自身は手を汚すことなく殺しを完遂し、証拠も出さないため警察からは「不能犯」と呼ばれ、警察の沽券を脅かす要注意人物として警視庁捜査一課からもマークされている。


  • 多田友樹

本作品のもう一人の主人公。警視庁杉並北署配属のノンキャリア刑事で、階級は巡査部長。宇相吹のマインドコントロールが効かない数少ない人物。とある事件をきっかけに宇相吹の能力に気付き、宇相吹による連続殺人事件を阻止するため奔走する。特技は剣道。

性格は真っ直ぐで超が付くほどの馬鹿正直。困っている人や間違った道に進もうとする人間を見ると、助けたり説教せずにはいられない性格で、物語冒頭で「それが馬鹿を見る羽目になる」とよく宇相吹に忠告されており、実際にその実直な態度で接した熱い想いが事件の被害者(依頼人)に届くことはなく、ほとんど破滅的な末路を迎えている。

映画版では、女性の多田友子(演:沢尻エリカ)に変更されているが、性格は原作の友樹に準拠している。


  • 百々瀬麻子

本作品におけるヒロイン。多田の後輩。階級は巡査。多田同様、宇相吹による連続殺人事件を阻止するため奔走する。物語途中、本庁の宇相吹事件捜査課の方針に耐えかねた多田が辞職するも、こっそりと彼が提出しようとしていた辞職届を隠し持っていた。多田共々本庁に転属になる。

映画版では、男性の百々瀬麻雄(演:新田真剣佑)に変更されている。



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