丘村日色
おかむらひいろ
日本人らしく黒髪黒目で、眼鏡を掛けている。
ある日、学校の放課後に教室にカバンを取りに戻った時、突然足元から眩い光が教室中に迸り、その場にいたクラスメイト4人と共に【異世界・イデア】に存在する【人間国・ヴィクトリアス】に召喚される。しかし召喚された国には早々に見切りを付け、一緒に転移してきた4人とは話したこともなく、まして友達でもないため、一人でこの世界で生きていくことを決心する。以降、異世界の様々な本を読んだり独特な食事を楽しむためだけに世界を回るようになる。
その行動原理は徹底的な自分至上主義であり、自分の利益にならないなら何の躊躇もなく困っている者を無視する。しかし乱暴者ではないので、自分からに絡むようなことはしない。一方で、一切の偏見を持たずニュートラルな態度で接するため、ミュアを始めとしてまっすぐさに好意を抱くものも多い。何故か幼女に好かれやすく、いつの間にか「幼女キラー」なる称号が付いてしまった。
ギブアンドテイクを信条としており、対価を提供出来れば力を貸すが無償では絶対に動かない。主に興味をそそるもの(食事と書物)を対価として要求することが多い。
基本的に一人でいることが好きで、他人とは距離を置こうとする。
食事と本に目がなく、寝ることと食べること、そして読書が生き甲斐。大食いの早食いでグルメで、たとえ県外でも美味いものがあると聞けば、わざわざ自転車を走らせてまで目的の場所へと向かう。限定百個の超人気大福が販売されると聞けば、前日から並んで、確実に手に入れるほどの執念を見せたほど。周りからは《食の追求者》と呼ばれたこともあるらしい。
また読書については、学校の図書室には時間があれば通いつめ、生徒や教師から《図書室の住人》と呼ばれたこともある。少し遠くても、図書館があると聞けば足を延ばして知識欲を満たしていた。あまりに熱中し過ぎて、飲まず食わずで三日間部屋に閉じこもり借りた本を読んでしまい、倒れてしまったこともあるほど。
故に、その二つの欲望が満たせれば友達などいらないと思っている。
元の世界ではまだ幼い時に両親が事故に遭い死んでしまったため、児童養護施設に引き渡され育った。そこではそれなりに友達もできたが、それ以上に読書が好きで、ほぼ毎日様々な本を読み耽っていた。
「人間の友達よりも、本が友達と呼ぶに相応しい存在だった」というのは本人の言である。
天涯孤独の身であり、どうしても向こうの世界へ帰らなければならないという理由も無く、帰る方法が見つからなくても困りはしないと思っている。それどころか逆に、召喚されたことに感謝しているほど。
転移してきた際は黒い学ランのままだったが、冒険者になって暫くしてからはフード付きの赤いローブを着用している。魔法耐性や防御力に優れており、どこぞの騎士が着るような感じで少し派手。
腰に携えている刀は、国を出て最初の村で手に入れた武器で、銘は「刺刀・ツラヌキ」という。