概要
作者:十本スイ
2013年7月31日より、『小説家になろう』にて連載が開始。
書籍
イラストは、すまき俊悟が担当。
既刊は13巻(+外伝3巻+『野望の軌跡編』)
コミカライズ
2015年8月号より、『月刊ドラゴンエイジ』にて連載が開始。
作画は、尾﨑祐介が担当。
既刊は19巻。
あらすじ
食事と読書を愛する“ぼっち”高校生の丘村日色は、クラスのリア充四人と異世界に飛ばされた!
≪勇者≫として人間国を救ってほしいという王女からのの願いにリア充たちがはしゃぐなか、確認された日色の称号は――≪巻き込まれた者≫!?
元の世界には帰れない。勇者たちのノリにも興味はない。けれどせっかくの異世界ライフだ。
綴った文字のイメージを発現する日色だけの能力≪文字魔法(ワード・マジック)≫を使い、まだ見ぬ料理と書物に出会うため、ひとり冒険の旅に出る!
異世界でも孤高の“ぼっち”路線を貫く日色はまだ知らない。
やがてヒーローと呼ばれることになる自身の未来を...。
登場人物
召喚者
- 丘村日色(おかむら ひいろ)・・・本作品の主人公。常に眼鏡をかけている。
文字を書くことでその文字のイメージを発現する《文字魔法(ワード・マジック)》というユニーク魔法の使い手。たった数字で無数の意味を包括しうる「日本語」を使っての発動であるため、1文字だけでも汎用性が高い。また、異世界において日本語は未知の言語であり、何を発動しようとしているか分かりづらいため初見殺しとしての性質も高い。しかしユニーク魔法は無属性魔法であるが故に他の属性の魔法は使えない。文字を使うことで疑似的に全属性の魔法を使うことは出来るが、非常に燃費が悪い。
話したこともないクラスメイト4人に巻き込まれて【人間国・ヴィクトリアス】に召喚されたが、国王の発言に疑問を抱き、勇者たちと離れ単独行動することを決める。
ギブアンドテイクを信条としており、対価を提供出来れば力を貸すが無償では絶対に動かない。美味しいものと本に目がなく、これらを対価として要求することが多い。
国を出て最初の村で「刺刀・ツラヌキ」という武器を手に入れて愛用するようになる。
何故か幼女に好かれやすくいつの間にか幼女キラーなる称号が付いてしまった。
元の世界では孤児で天涯孤独の身であった為、戻りたいとも思っておらず召喚されたこと自体には感謝している。
- 青山大志(あおやま たいし)・・・召喚された勇者の一人。なお、国王とその周囲の者たちから一方的な情報だけを与えられ、程々の訓練とクエストで自信を付けていた所で魔人族との諍いに巻き込まれる羽目となり、結果自分たちがただ利用されて振り回されていただけだったことを知る。
- 鈴宮千佳(すずみや ちか)・・・召喚された勇者の一人。大志の幼馴染。
- 皆本朱里(みなもと しゅり)・・・召喚された勇者の一人。日色とは一度だけ会話したことがあるが、日色はそのことを覚えていない。
- 赤森しのぶ(あかもり しのぶ)・・・召喚された勇者の一人。関西弁で喋る。
人間族
- ルドルフ・ヴァン・ストラウス・アルクレイアム・・・【人間国・ヴィクトリアス】の国王。リリス以外の娘を勇者転生の魔法の際、2人を反動死で亡くし、1人を昏睡状態に陥らせている。
帰還魔法が存在しないと知りながらも平然と他人を巻き込もうとする態度から、ヒイロからは早々に怪しまれた。挙句の果てには娘たちを犠牲にしてまで呼び出した勇者たちまで、魔人族への攻撃の正統性のためだけに捨て駒にした。
- リリス・・・【人間国・ヴィクトリアス】第一王女。やっとの思いで勇者転生の魔法に成功した。
- ジュドム・ランカース・・・元ギルドマスター。「衝撃王」の二つ名を持つ。その殺気は引退した今も衰えておらず、強さと人間力から慕う者も多い。
- ウェル・・・勇者の教育係。ジュドムとルドルフの板挟みの中勇者の育成に励んでいる苦労人。
- ニッキ・・・バンブーベアに育てられていたが、日色と出会い、弟子入りする。忘れっぽい所がある。ミカヅキと競いながら言語を学んでいる。
獣人族
- レオウード・キング・・・【獣王国・パシオン】の国王。炎属性の攻撃を得意とする。血の気が多く、しばしば戦闘バカとも称される。
- ククリア・キング・・・【獣王国・パシオン】の第一王女。
- ミミル・キング・・・【獣王国・パシオン】の第二王女。声が出せなかったが、日色の魔法で喋れるるようになった。魔法で姿を変えたり透明化したりしている相手でも、本当の姿を「視る」事が出来るという特性を持つ。
- レッグルス・キング【獣王国・パシオン】の第一王子。
- レニオン・キング・・・【獣王国・パシオン】の第二王子。
- バリド・・・三獣士の1人。二つ名は「雷候」。鳥の見た目をしている。
- クロウチ・・・三獣士の1人。日色のことをタロウと呼ぶ。二つ名は「闇飼」。本来は白い猫の見た目をしているが、敵に舐められないようにする為、毛色を黒くしている。物を格納できる亜空間を形成する魔法と、死体からゾンビを創り出す魔法が使える。亜空間は酸素がなく生物は格納すると死んでしまうが、ゾンビであれば問題はない。亜空間内部からの脱出は不可能だが、喋らずとも使用できる上にあらゆるルールを無視して言葉の意味を遂行する≪文字魔法≫の前では相性が最悪だった。
- プティス・・・三獣士の1人。二つ名は「氷漠」ペンギンの見た目をしている。
- アノールド・オーシャン・・・獣人族の一種である犬人。かつて奴隷だった頃に耳を切られており、人間のようなつけ耳をしている。ミュアのことを娘のように愛しているほか、他の幼女への姿勢から、ヒイロからロリコン呼ばわりされたせいで不名誉な称号が付いてしまう事もしばしば。
- ミュア・カストレイア・・・12歳。旅の途中で化装術を習得した。化装特性は雷。
- ウィンカァ・ジオ・・・獣人族と魔人族のハーフである金狐の少女で、Sランクの冒険者でもある。彼女が愛用する武器を作ってくれた父親を捜して旅をしている。日色達とは空腹で落ちた温泉で出会い、その後しばらくの間、行動を共にしている。
魔人族
- イヴェアム・グラン・アーリー・イブニング・・・【魔国・ハーオス】の国王。ただし、強さは直属護衛隊よりも低い。日色と同じく本が好き。戦いのない世の中を目指している理想主義者だが、人間との同盟が「魔人族にとって一方的に破棄しても何の問題もない」「人間族は勝ち筋の1つである不意打ちなどが潰されて極めて不利」「先代の魔王が一方的に同盟を破棄した」などの事情が致命的だという認識がないため、全く信用されないことが理解できず、内心苛立ちを募らせている。
- アクウィナス・リ・レイシス・フェニックス・・・魔王直属護衛隊(クルーエル)序列一位。魔眼を持つち、相手が嘘をつけばすぐに分かる。
- マリオネ・・・魔王直属護衛隊(クルーエル)序列二位。戦闘狂。
- テッケイル・シザー・・・魔王直属護衛隊(クルーエル)序列三位。諜報員として世界各地を飛び回っている。描いたイメージを具現化するユニーク魔法使い。
- オーノウス・・・魔王直属護衛隊(クルーエル)序列四位。獣人と魔人のハーフ。
- シュブラーズ・・・魔王直属護衛隊(クルーエル)序列五位。妖艶な雰囲気を持つ女性。
- グレイアルド・・・魔王直属護衛隊(クルーエル)序列六位。
- イーラオーラ・・・元魔王直属護衛隊(クルーエル)。実力は折り紙付。今は魔界と人間界をつなぐムーティヒの橋の警備を任されている。
- リリィン・リ・レイシス・レッドローズ・・・幼い見た目に反し、実年齢は200歳以上。精神に働きかけ幻覚を見せるユニーク魔法の一種である「幻夢魔法」の使い手。
精霊族
- ニンニアッホ・・・精霊女王。妖精や精霊は「視る種族」とも言われており、ステータスを視る事もでき、日色の変装も簡単に見破った。オルンという妖精と行動を共にしており、ミュアに力を授けた。
- シウバ・プルーティス・・・リリィンの執事。ドMで、リリィンに罵られて悦ぶ。
その他
- ミカヅキ・・・元ライドピーク。日色の魔法によって人間の姿をしている。
世界情勢
この世界【イデア】に存在する精霊族以外の3種族(人間族・獣人族・魔人族)は、3つの大陸を1つずつ支配し、互いに覇権を競い争っている。
現在は人間族と獣人族が同盟を組んでおり、魔人族を滅ぼそうと企んでいる。
ヒイロら異世界人はこの世界では人間族と見做されているが、厳密には別種族である。
種族ごとに得意分野が異なり、「闇属性魔法」は魔人族にしか使えず、逆に「光属性魔法」は人間族しか使えない為、それぞれに対抗しうる最大の手段である。獣人族は、魔法が使えない代わりに「化装術」という特有の術が使える。
ユニーク魔法は無属性であり、使い手は他の属性の魔法が使えないという欠点があるがその分かなり強力。使用できるのは人間族と魔人族だけである。効果に比例して反動も強力で下手したら死ぬ可能性がある。ヒイロ達を召喚した魔法もユニーク魔法で、過去に失敗した人物は死ぬか、命は助かったが目が覚めない状態になっている。
しかし、ハーフは両親のどちらの種族の特徴も受け継げないため、禁忌とされ差別対象になっている。