大気中の乱流。通常、飛行中の航空機に揺れを与えるような気流の乱れをいう。タービュランスともいう。山岳波や積乱雲などの影響で起こることが多く、ジェット気流の近傍の高度の高いところでは、晴天乱気流(CAT)が起こることもある。飛行機が上空で乱気流に飲み込まれると、機体は大きく揺れるため機内にいる乗客や乗員が負傷する可能性があり、ごく稀だが死亡事故に至ったケースもある(例としては2024年5月のシンガポール航空321便の事案がある)。
また、高度が低くならざるを得ない離着陸時に下降気流を伴う乱気流(マイクロバーストなど)に巻き込まれると、高度を一気に失い回復する間もないまま墜落に至る危険性が高いため、空港には乱気流を検知して警告するための装備が設置されている。
航空機自身が発生させる後方乱気流というものもある。航空機の主翼端から発生する翼端渦が生み出すもので、大型機のものとなると後ろの飛行機をひっくり返してしまうほどの威力があるため、旅客機は充分に距離を取って飛行する必要がある。