概要
実母(生母)が体調不良などで乳児を育てられないときに、育ての親として雇われた女性。
彼女に実子が居る際、育てた雇い主の子と実子の関係を「乳兄弟/姉妹(ちきょうだい)」ともいい実兄弟以上の結びつきとなり、必然的に小姓、側近格として重宝されることも多かった。イスラム圏では乳兄弟同士は実兄弟とは同等と扱われ、結婚は禁じられている。
昔は「身分の高い女性は子育てを自分で行うべきではない」という考えもあり、母乳の出る出ないに関わらず乳母をつけるケースも多かった。
皇室でも現上皇陛下の幼少期までは乳母をつけて育てられていた(とはいえ、大正天皇よりも乳母の出番は既に大幅に減っていた)が、時勢の変化や御本人の御意志などもあり、上皇ご夫妻に今上天皇が誕生して以降は乳母制度は正式に廃止となっている。