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『優しい悪戯』とは、心が幼い者には不可能な芸当である。



そもそも『優しい悪戯』という言葉は言語的な矛盾を孕んでいる。


性悪的な名詞に性善的な形容詞がかかる事によってこの言葉は成り立っているが、この言葉自体は性善的な性質を持っている。


『悪戯』という名詞は、


①他人様に迷惑のかかる行為

悪ふざけ

(③する価値のない事をする事:これは通常「徒」と表記する。)


と言った性悪的な意味が居並ぶが、『優しい』という形容詞は御存知の通り、真逆の性善的な意味を持つ。


もし、『優しい悪戯』という行為が性悪的であるならば、それは唯の悪戯に成り下がり、『優しい』という形容詞は冠するに値しない。

即ち、この言葉に於いて『優しい』という形容詞は、『悪戯』という名詞を凌駕していなければならない。


これまでの人類の歴史に於いて、数多の先人達が文字通り、戯れに多くの悪戯をしかけてきた。

それにより、悪戯という言葉はある一定の形を持ち、どのような行動が『悪戯』と呼ばれるのかが一定の概念として人間の脳裏には定着している。

(例:物を隠す、断りなく相手の身体に触れる 等)


しかしこれらの行為が持つ意味合いは普遍的ではなく、多角的視野や状況判断によりその一つ一つの行為が『悪戯』と断ずるに易くないものもある。


これらの事を踏まえ『優しい悪戯』とは、対象者の状況を正確に読み取り、普段は『悪戯』と呼ばれる行為を迷惑なく対象に行う事である、と言える。

これに留まらず、『優しく』ある必要があるのは、まさに容易くない。


だが元は悪戯と呼べる行為なので、行う者の心が揺れたり、我欲が湧くと途端に性悪的な行為に成り下がる。

性悪・性善の双極型であるこのような言葉達は常に危ういものであり、実際に行う場合、当事者の人間的な器と手腕が試される。


この故に、文章の頭に先の言葉を据えた。


『優しい悪戯』とは、心が幼い者には不可能な芸当である。


【参考文献】

集英社国語辞典

1993年2月25日 第一版第一刷

発行所 株式会社 集英社

発行者 若菜 正

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