プロフィール
主人公の渡久地東亜をリカオンズに入団させた張本人。
概要
プロ野球チーム「埼京彩珠リカオンズ」の不動の4番打者。
二度の三冠王をはじめとする多数の打撃タイトルを獲得した一流選手である。一方、21年間の現役生活で優勝経験が一度もない「不運の天才打者」としても知られる。ゆえにリカオンズを優勝させる事に執着している。
年末に沖縄で自主トレを行っていた折、同僚が賭け野球「ワンナウト」で負けた(それもドルと円を明言しない事による「千円賭けに見せかけた1000ドル賭け」という引っ掛けによるぼったくりも並行)と知り、野球を賭けの道具として扱う「ナメた人間」への憤りから渡久地に勝負を挑む。
一度目は自身の驕りを突かれ敗北し、以降は山に籠もり雑念を排するための精神修行として薪割りに励む。
二度目の勝負直前には手首を痛めるアクシデントに見舞われ、万全とは程遠いコンディションで臨まざるを得なかった。しかし初戦で渡久地が(意図的に)暴投した際に自身が挑発目的で言い放った「ここの四角い白線の中に当たったらストライクなんだよな?」という台詞が承知されていた事を突破口として、ストライクコースの球にわざと接触する奇策(※)で勝利をもぎ取る。
- ※本来は打者がストライクコースの投球に意図的に当たってもデッドボールと認められない。しかし今回の勝負に限っては上述の取り決めから、ストライク扱いされるのはボールが「四角の白線内に当たった」場合のみに限る。すなわち打者が(意図的であっても)ボールの軌道上に身体を飛び出して妨害しても「ストライクゾーンに当たっていない以上ストライクコースかどうか分からない」ので一切問題はない(無論バッターゾーンから飛び出して身体で白線を隠す様な無法はそもそもルール違反であるため論外)。よって結果は「デッドボール」。なおこの判定を下したのは渡久地自身である。
渡久地は賭けの対象だった自分の右腕を差し出して折るように促すが、児島は「腕を折るとは言っていない、貰うと言ったんだ」とプロに勧誘し、さらに「リカオンズを優勝させてくれ」と懇願。
球団へ渡久地の獲得を申し入れ、彼をプロ野球の世界に引き入れた。
以降は出口智志と共に渡久地の理解者としてチームの和を保ちつつ、試合では得意の打撃でリカオンズ打線を牽引する。
彩河が破産した時の捨て身の告発で一時、投票で渡久地を追い出すムードになった際は「自分が引き入れたから」と投票を辞退した上で「渡久地を追い出すことになったらその時は自分も引退する」と明言(脅迫ではなく単純に責任を取るため)
そして「お前達まで経営者の理屈で野球してはいけない」「ファンが応援してくれているリカオンズがどんなものか、一度考え直してほしい」と言い残し渡久地の追放を阻止した。
リーグ優勝決定戦では自身のホームランで試合を決め、日本シリーズも制覇。見事悲願を果たした。
シーズン終了後には、市民球団(現実の広島カープのような形態)として生まれ変わったリカオンズの初代監督に就任した。
過去
実はかつてはピッチャーであったが、無茶な練習と試合が祟って爆弾が爆発、投手生命を絶たれてしまうこととなった。
その事で一時期は自暴自棄になり野球も辞めていたが、バカにされパシリにされている落ちこぼれの同級生がキャッチボールではいい球を投げる事に気がつき教えながら二人でキャッチボールするうちに段々と立ち直る。
しかしある時その同級生が余命いくばくもない状態であった事を知り「落ちこぼれとバカにされても、命を賭けて野球をやっていたアイツに比べてピッチャーが出来なくなった程度で自分はなんだ」と後悔
一度は退部した野球部に出戻り、バッターとして練習し直して一気に才能を開花させた。
のちに地区大会優勝をかけた試合で敬遠され勝負してもらえない窮地に追いやられるが、「勝負放棄されガッカリしている"フリ"」をするという策を弄し、不意に投げ込まれた甘い球を同級生に向けたホームランとして放つが
優勝の報告に行った時既に同級生は他界していた。
最後にホームランを見た事、感謝を述べていた事を聞き号泣して送り出した。