概要
『双亡亭壊すべし』の主人公の一人。
美術大学を卒業したばかりの売れない画家。絵本作家を志望しているが、出版社からは絵柄が大衆向きでないことを理由に採用されずにいる。
双亡亭のある沼半井町のアパートに住み、近所に引っ越してきた立木緑朗と知り合うが、緑朗の父の死亡事件や自衛隊による双亡亭の空爆に巻き込まれる。
緑朗に軽い気持ちで双亡亭の探検を促してしまった事に責任を感じており、務にとっての従伯父(祖父の兄の息子)に当たる凧葉青一の身元引受人として政府に呼び出されたをきっかけに、
緑朗の姉・紅をはじめとした政府の突入部隊に同行して双亡亭破壊作戦に関わることになる。
双亡亭を作った坂巻泥努の作風に興味を持っており、彼の著した私家本を所持していたが、空爆でアパートもろとも焼失している。
身体的な強さや、紅らのような特殊能力を持ち合わせておらず、突入部隊の隊員からも足手まといの民間人という評価を受けている。その一方で、メンタル面では作中屈指の強靭さを誇る。
双亡亭の中で肖像画に取り込まれた際、子供の頃に塾経営者である父親から厳しく叱責された記憶やその父親が廃人と化したという辛い記憶を見せられたが、過去を過去として割り切ることでいなし、トラウマを見せることで体を乗っ取ろうとした「何か」を、破壊作戦に関わった人物の中で唯一自力で撃退した。
肖像画の中にいた男と意気投合し、彼に双亡亭の中を自由に動き回ることを可能とする「黒い手」の力を与えられる。
また、厄介なことに、心の脆さや過去の心の傷をえぐることに突出している”侵略者”や、気難しい危険人物である側面と、芸術家気質ながら理知的で、なけなしの交渉の余地も残っている坂巻と、怪異と見られかねない能力を持つが故に社会から浮き気味な者が少なくない特殊能力者との相性は良好ではなかったらしく、なしくずし的に務が侵略者の精神干渉阻止に関わる場面が増えてしまっている。
おまけに、本人も特殊能力者達も、務が侵略者攻略の鍵であるという認識が生まれるまでに時間がかかったため、紅やマーグ夫妻が務に一目置く・侵略者が務と緑朗を露骨に警戒するといった変化が進むまでの間、周囲も自身も一民間人扱いするなか、ラスボス候補が妙な評価や助言をするという異様な状態が続いたことも。
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以下、ネタバレ注意
実は泥努が恨みを持つ月橋詠座の子孫であったことが、終盤で判明する。