概要
分割商法とはひんしゅくを買いやすい商法のひとつである。
基本的には内容がほぼ同じ作品をひとつにまとめるのではなく、わざと複数個の作品として内容を分割して販売することで同じ人に複数個買わせようとする販売方法である。
当然似た作品と比べると複数個買う関係上、総合計した値段は分割商法と呼ばれる方の作品の方が上回ることが基本となる。
様々な媒体で発生しやすい販売方法であることも特徴である。
例えば、書籍であれば前編後編などと分かれている作品は広義で言えば分割商法と言えるだろう。
アニメやドラマのDVD化も作品全体をひとつにまとめたDVDBOXと比べれば分割商法と言えなくもない。
しかしながらこれらの販売方法での分割が嫌われない理由は「容量」などの問題があるからだ。
先の例で言うならば書籍の場合、前編後編と物語としては分かれているが、その一冊一冊はそれぞれ他の一作品と比べて同程度の中身があるという長編作品だっただけであれば、事実上その複数個分の作品に匹敵する内容としてひんしゅくを買うことは無い(そもそも分厚い書籍は読もうとすると重いので腕が疲れる等の問題もあるため、まとめれば良いというものでもない)。
また、DVDの例もその画質音質などにより1枚のDVDに入れられる作品の長さには限りがあるということは周知の事実であるため、分割商法と呼ばれることは皆無に等しい。
ではどういう作品が分割商法と呼ばれやすいかと言うと、「特に分ける必要が無いにもかかわらず複数個に分割されている」作品で、しかも「分割されているそれの値段が高い」場合に分割商法だと言われやすい。
例えば「複数枚のDVDなどで分かれて販売されたが、内容量を調べたら一枚にまとめることは十分に可能である」場合や、「内容データは多いものの殆どが重複してたり等、企業努力で十分ひとつに纏めることができる」場合などであろう。
簡単にまとめると、「別に分ける必要が無いのに複数個の作品に分割し、全てを買わせることによって不当に儲けを増やそうとする」商法である。
分割商法の例
分割商法と実際に言われるかどうかはさておいて、分割商法だと言われやすい例も含めて紹介する。
- ポケットモンスターシリーズ
各ソフト内にそのタイトルの全てのデータは収録されているものの、一部イベントの変更や出現するポケモンに差別化を計ることで一作品だけでもエンディングこそ見れるものの、全ポケモン入手等の完全クリアのためには複数作品を要求される。
しかしながら、これはゲームデザインとして企図されたもので、「ひとりではクリアできない」ので「友達との交換」することで解決するなど一種のコミュニケーションツールとしての立ち位置も確立し、長期に渡って人気を博している。
勿論、それができる相手がいない等の理由でひとりで完全クリアを目指すならば複数作品購入しなければならないのだが、どちらかというと曲芸商法やAKB商法に近しい商法で槍玉に上がりやすく、「分割商法としては」そこまで悪質かと言われると、そうでもなかったりする。
特殊な分割商法(と呼ばれる)作品。
この作品単体としては一応ある程度の完成形として販売されているが、内容としてはリメイク前の作品と比較すると全体の1/3~1/4程度のストーリーしか無く、その内容もただ引き伸ばされてるだけと言われるなど、一作品完結として発売されたリメイク前と比べて分割商法だと言われている(しかもリメイク後のそれのひとつあたりの値段がフルプライスだったことからも、完結まで考えたら他作品の3倍以上の値段になるということが非難されやすい)。
なお、PS4版とPS5版の双方を販売した本作は、わざわざPS4との抱き合わせ商品まで作って販売しておきながら、追加シナリオのDLCを販売する時にPS4版には適用できない(PS4版を持っていれば安価で購入できるとは言え、ハード込みでPS5版を買い直せば適用可能)というユーザーの切り捨ても行っているため、そちら方面でも非難されやすい。
関連イラスト
分割商法に関するイラストを紹介してください。
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完全版商法…分割商法と同じく複数同じ作品を買わせることを目的とした商法だが、こちらは通常版が発売された後に多少機能を追加した作品を新商品として発売する商法。