概要
天狗の詫び証文とは、静岡県伊東市物見が丘2-30にある日蓮宗の本山である佛現寺(ぶつげんじ)に保管されている「天狗の詫び状」の別名である。
長さ一丈(約3m)幅一尺(約30cm)の巻物には178行に渡って2900字余りの文字らしき図形が書かれているが、2020年現在に至るまで一字たりとも解読されていない。
また、実際見た人によればその字らしきもの全てはそれぞれ異なる形であり、とても暗号の一種とも思えないとのこと。
由来
万治元年(1658年)の頃、天城山中の柏峠には天狗が出没し往来する旅人を困らせていた。
そこで、当時の佛現寺住職であった日安上人は天狗を懲らしめるため単身柏峠に赴いた。
剛力無双で知られた日安上人は天狗を見つけると、いきなりその長い鼻を両手で掴み捻り倒したのである。
驚いた天狗は上人を振り払うと一陣の風と共に逃げ去ってしまった。
そして同時に上から落ちてきたのがこの巻物であるとされる。
何が書かれているかは判らないが、『上人の怪力に恐れ入った天狗が、二度と悪さをしないと誓った内容がしたためられているのだろう』ということになり、佛現寺の什宝「天狗の詫び状」として今日まで伝えられることとなったそうな。