孤紅の恤
ここうのとむらい
以下、ネタバレ注意
天地が紅色に染まった。
ヴィル「——コマリ様。あなたは絶対に負けません」
カレン「ああ楽しみだねえ。朕に見せておくれよテラコマリ。帝国千年の歴史にも類を見ない至高の烈核解放、【孤紅の恤】の真価をね」
「ころすぞ」
テラコマリ・ガンデスブラッドが生まれつき持っている烈核解放。
発動条件は他者の血を飲むこと。一度血を飲めばコマリの意思とは無関係に発動する。
コマリは引きこもる以前に孤紅の恤を3度発動しており、いずれにおいても力を制御できずに大量虐殺(被害者には当時の七紅天大将軍も含まれている)を行っている。
コマリの父アルマンは孤紅の恤を危険視し、コマリが血を嫌いになるように催眠誘導を行うことで封印した。
七紅天になった当初、コマリは孤紅の恤の発動中の出来事を記憶できず、ヴィルから何度教えられても全く信じていなかったため(アニメ版ではヴィルも自覚を強いることはなかったため)、敵と戦う際にはコマリの事情を知った者が血を飲ませて発動させていた。
しかし七紅天として他者と交流する中で、次第にコマリの内面も変化し、少しずつ記憶が残るようになり、吸血動乱での決戦後に孤紅の恤の存在を認めた。
また引きこもる以前の無差別な虐殺とは異なり、七紅天になってから発動した孤紅の恤は、一応発動前のコマリの意思に沿って行動することができている……が、魔法の規模が大きすぎるため結局周囲が被害を被ることが多い。
発動後、コマリは全身から魔力や体力をごっそり持っていかれるような現象に見舞われている。物語が進む中で短期間に連続して発動する機会も増えたが、ダウンするのはだいたい事態が収束した後である。
また烈核解放は使用者の心の有り様に大きく左右される性質がある。孤紅の恤も例外ではなく、人質を取られるなどしてコマリの心に揺さぶりをかけられたことで解除されたことがある。
物語が進むにつれてダウンの頻度は減ったが、強力な烈核解放であるため代償も大きいはずだと忠告されており、依然として油断できない状況が続いている。
血を飲んだ相手の種族ごとに、獲得する能力も異なる。
吸血種ver
紅色の魔力を放つ。血を栄養源にしている吸血種の特徴を再現しており、孤紅の恤の基本型と言える。
運動音痴で魔法が使えない普段のコマリとは対照的に、優れた身体能力を誇り、使い手のほとんどいないような魔法も使えるようになる。
蒼玉種ver
そうして世界が真っ白に染まった。
「さくなにあやまれ」
白銀の魔力を放つ。極寒の地域に住む蒼玉種の特徴を再現している。
身体は頑丈で、神具の武器で斬りかかられても傷一つつかず、逆に握力で神具を破壊している。大規模な氷結魔法や回復魔法が使用可能になる。
作中では吸血種と蒼玉種の混血であるサクナ・メモワールの血を飲むことで吸血種の能力と同時に発動している。
純血の蒼玉種の血を飲んだ場合の孤紅の恤は現在まで見せたことがないが、ロネ・コルネリウスに言及されており登場するフラグは立っている。その場合、血を飲む相手の最有力候補は彼女になるが、果たして……。
翦劉種ver
世界は金色に染まった。
「げらあるかを、ぶっこわす」
翦劉の血によって実現された奇跡の異能は、ありとあらゆる武器を自在に生み出しコントロールする究極の剣山刀樹。
金色の魔力を放つ。刀剣などの武器を生成し、自分の周囲を旋回させるなど自在に操るほか、触れた物質を黄金に変えていく。
攻撃力は高く、敵が烈核解放によって得た鉄壁の防御もあっさり破っている。
和魂種ver
視界が膨大な魔力に埋め尽くされて——時の流れが加速した。
「かるら。ゆめをとりもどそう」
和魂の血によって実現された奇跡の異能は、森羅万象の時間を加速させる百花繚乱の究極奥義。
翠色の魔力を放つ。「殴る」という動作を加速させることで威力を上げ、「投げる」という動作を加速させることで小石を音速で投げることができる。
周囲の草木の時間も加速させており、発動中は周囲を花弁が舞っている。
神仙種ver
そうして世界は再び虹色に染まっていった。
「覚悟しろ!ネルザンピ!」
神仙の血によって実現された奇跡の異能は、運命を操り天意を我が物とする秀色神彩の絶対奥義。
虹色の魔力を放つ。このバージョンのみ、発動してもコマリの意識は普段と同じであり、他の種族の血を飲めば別バージョンの烈核解放も発動できる。
神仙種は長生きするのが特徴の種族なのだが、孤紅の恤はそれをコマリの身に死にそうなくらいの不幸が降りかかった際に、それを上回る幸運を呼び込んで回避することによってコマリを長命に、というより事実上無敵状態にしている。
呼べる幸運には限りがあり、回避できる不幸が限界値を超えると、最後に特大の幸運を呼んで効果が切れる。
孤紅の恤の中でもギャグ寄りだが、以下のようにその効果は侮れない。
- 高所から投げ落とされても、たまたま業者が落としていったマットの上に、たまたま五点着地の姿勢になって衝撃を吸収して無傷だった。
- 戦闘では、普段は絶対効かないであろうコマリのパンチも、敵の背後に大きな石ころがあったためヒットさせることができた。
- 挙句、周囲が障害物のない更地で、コマリは丸腰で敵は拳銃を持っているという絶体絶命の状況においても、隕石を召喚して逆転した。