概要(ネタバレ注意)
町の権力者である蒲腐博士の元、5人の若者は戦闘スーツを着て『市立戦隊ダイテンジン』となり、『正義』の名のもとに蒲腐博士や自らが定めた『悪』を断罪するが、街を愛する自称・『悪』の秘密結社のボスである保守派の活動家・イルパラッツォは、街の風流を平気で乱すダイテンジンの行動に怒り、部下のエクセルにダイテンジンを抹殺するよう命令を下す。
キャラクターや作風からして後の「エクセル・サーガ」のプロトタイプにあたるが、あくまで「エクセル・サーガ」とは別の作品であることを強調している。その証拠に、「エクセル・サーガ」がハイテンションなギャグであるのとは対照的に、この「ダイテンジン」はいかにも成人向け漫画な内容と激烈かつ理不尽極まりないブラックな内容になっている。
ダイテンジンのやっていることはある意味藤子・F・不二雄の短編作品『ウルトラスーパーデラックスマン』と通じるものがあり、ダイテンジンや上官である蒲腐博士にとっての『悪』の認定基準が「市政に対し抗議デモを行った市民団体」「掲載禁止用語(一般的に言う放送禁止用語)を口走った者」「美人局」「街宣車」「身内の心を弄んだ(とメンバーの一人が判断した)カップル」など、あからさまに個人的な基準で正義の鉄槌(という名の殺人またはレイプ)を下している。おまけにバイクを6人乗りで運転するという、交通ルールを守らない。
さらにダイテンジン絡みでの苦情の電話が蒲腐博士に掛かってくると、蒲腐博士はそれを黙らせる為にボタン一つで対象となる物を爆破する形で相手を爆殺すると、まさに理不尽極まりない。
また、イルパラッツォ率いる秘密結社は藤子・F・不二雄の短編作品『ウルトラスーパーデラックスマン』における謎の女のポジションを組織化したようなもので、『悪』の組織というよりは本当の正義の味方の様に描かれている。この他エクセルの髪型が『エクセル・サーガ』とは別人であることを強調するかのように髪形がショートになっており、一時的に同人誌で出版されたときは、その表紙に“『エクセル・サーガ』の方のエクセル”が、『ダイテンジン』の同名が着そうな露出度の高いハイレグのコスチュームを着て特別出演した。
最後はこれまでの行いが報いとなり、市議の上層部に弾劾された腹いせに、蒲腐博士が町をあちこち破壊し、約1名置いて脱出したダイテンジンが町の最期を見届ける事で終わる。
「エクセル・サーガ」での扱い
TVアニメ『エクセル・サーガ』の18話にて、六道神士が元々原作通りの展開に懐疑的なナベシンに脅される形で『市立戦隊ダイテンジン』をベースにしたエピソードが展開された。
TVアニメなだけに成人向けの描写は無いが、市街安全保障局のメンバーが無理やり戦闘スーツを着せられていやいや言いながらも原作の様な破壊の限りを尽くしている。また、蒲腐博士も苦情が来たときには『ダイテンジン』の様な満足そうな顔ではなく、イラっとした鬼の形相でボタンを押してクレーム処理を行っている。
関連タグ
エクセル・サーガ - ダイテンジンの作風を受け継いだ作品。