概要
聖寵ともいい、現在では恩恵といわれる。
神の与えた対象物をさすだけではなく、与え主である神の慈しみを輝かせるものである。
それとともにこの賜物を受ける人間を神の慈しみで包み込むことを意味している。
『新約聖書』によれば、神の最大の恩寵は、父なる神が「自分の独子(ひとりご)を与えたるほど、この世を愛した」ことにある。
キリスト信者はここに他のすべての賜物が含まれていると信じている。
この確信は、「わたしたちすべてのために、自分の子をさえ惜しまずに死に渡された神が、どうして、御子(みこ)に添えてすべてのものをわたしたちにくださらないことがあろうか」(「ロマ書」8章32節)ということばのうちに表明されている。この恩寵はすべて神から無償で与えられたものであって、人間の功徳(くどく)によって得たものでない。
神の「恩寵と真理とはイエス・キリストを通してきた」(「ヨハネ伝福音(ふくいん)書」1章17節)のであり、人間は彼を通してのみ父なる神から恵みを受けることができる。