日本の所得税
日本では累進課税方式が取られており、所得が上がるごとに税率が上昇する。ただし、これは階級ごとに分けられて税率が決まっているため、所得が1円多くなって税率が一気に上がり、手取りがむしろ減ってしまうという問題が起こる。→103万円の壁など
税率についてはこちらを参照。現在は5%〜45%の幅で課税される。
企業に雇われている人は給料から所得税、社会保険料などが最初から差し引かれる形(天引き)される形で源泉徴収される。そのため、企業では12月ごろに年末調整が行われる。
しかし、これは大雑把に事前に徴収されているだけであり、控除や会社以外からの収益などで過不足が発生する。そのため、2月ごろに我々は確定申告をして追加納税や還付を受ける必要がある。
徴収される金額の計算は控除分などを引いた課税所得金額に対して税率を計算する。(令和19年までは復興特別所得税が加算される。)
国の国税のうちでは税収の30%ほどを占めており、割合としては最も大きい。また、累進課税は貧富の格差是正も兼ねている。
所得控除
(詳細はこのページなどを参照)
所得税は控除が多く存在し、それを活用することが、手取りの増加に繋がる。
- 基礎控除
2500万円以下の所得全ての人に対して一律で控除される。最大で48万円。
- 給与所得控除
給与に対してのみ発生する控除。55万円から195万円まで控除される。基礎控除と合算することで所得が合計103万円までは非課税となる。
- 社会保険料控除
支払った社会保険料分税が控除される(上限なし)。公的な保険は全て対象。
- 生命保険料控除
生命保険料、介護医療保険料および個人年金保険料を支払った際に最大4万円ずつ、合計12万円の控除が受けられる。
- 地震保険料控除
損害保険の地震等損害部分の支払い額に応じて控除が最大5万円まで発生する。
- 小規模企業共済等掛金控除
小規模企業共済法に定められた共済契約の掛金の全額分控除される(上限なし)。
- 扶養控除
扶養親族がいる場合、38万円〜63万円の控除が発生する。
扶養親族の合計所得が48万円、給与のみなら103万円以上になると、扶養から外れて控除がなくなり、扶養者の負担が増大することになる。アルバイトなどはよく相談すること。
- 配偶者控除、配偶者特別控除
配偶者がいる場合、課税者の所得が1000万円以下、配偶者の所得が133万円以下の場合、最大38万円の控除が発生する。こちらも控除が外れると課税者の負担が増大するので要検討。
- 障害者控除
納税者、もしくは納税者と生計を共にする人が障害者の場合、27万円〜75万円の控除が発生する。
- 寡婦控除、ひとり親控除
夫と離婚、もしくは死別した後、婚姻していない場合、所得が500万円以下なら控除を受けられる。子がいなければ27万円、子がいれば(総所得48万円以下)なら35万円の控除が発生する。
- 勤労学生控除
合計所得金額が75万円以下の学生なら控除が発生する。給与所得控除と合わせると給与が130万円以下なら控除対象。
- 寄附金控除
国、地方自治体、公益法人への寄付で控除が受けられる。寄付額、総所得金額の40%のどちらか低い方が控除額になる。
- 医療費控除
医療費で大きな出費があった場合、最大200万円まで控除される。
- 雑損控除
災害や盗難などで損害が発生した場合、その損害額に応じて控除が受けられる。所得が1000万円以下なら災害減免法による措置と好きな方を選べる。