概要
『灯争大戦』の背景ストーリーに登場した正体不明のプレインズウォーカー放浪者。
その正体は、神河の皇であった。
かつて神河の管理者である「香醍(きょうだい)」を支配しようと現れたテゼレットに特殊なチップ「現実チップ」を植え付けられ支配されそうになった際、そのチップの誤作動によりプレインズウォーカーの灯が宿って覚醒。
だが外的要因かつ不具合である点灯のせいで、自分の意思とは関係なく、他の次元へプレインズウォークしてしまうようになった。
また、名前を名乗らないのは「神河の皇は自らの名を明かしてはならない」という掟によるものである。
ゆえに、正体判明後も、プレインズウォーカー・タイプが無い。
「神河:輝ける世界」のストーリーではメインキャラの一人。
放浪皇を探し続けている魁渡が手がかりとなるであろう現実チップを入手し、テゼレットと手を組んでいたジン=ギタクシアスのメカに襲われそうになったところに、彼女がプレインズウォークで現れ、メカを一刀両断。窮地を救った。
タミヨウと魁渡がテゼレットらの研究所に乗り込む一方、灯の制御のため現実チップを装着して城の中で待機することにした。
しかし、二人は研究所に仕掛けられた罠にハマり囚われてしまった。
そのことを現実チップの力で知った彼女は、香醍の力を借りて灯を制御し、瞬時に研究室までプレインズウォーク。ジン=ギタクシアスを一撃で切り裂き、二人を解放した。
しかし、テゼレットが現実チップを操作したことで、彼女の灯は再び安定性を失っていく。
現実チップをタミヨウに外してもらい、香醍との繋がりでどうにか停留を維持し、蜂起軍の鎮圧を指揮するも、限界が近づいていた。
そんな中、彼女は不在となってしまう自身の代わりの統治者として、皇の助言者であった狐人の軽脚(けいぎゃ)を摂政に任命。
そして魁渡に感謝の言葉を述べようとした瞬間、限界を迎えたようにどこかの次元へとプレインズウォークしてしまった……。
カード性能
放浪皇
マナコスト | (3)(白) |
---|---|
カードタイプ | 伝説のプレインズウォーカー |
初期忠誠度 | 3 |
能力 | 瞬速 |
放浪皇がこのターンに戦場に出たのであるかぎり、これの忠誠度能力を、あなたがインスタントを唱えられるときならいつでも起動してもよい。 | |
[+1]:クリーチャー最大1体を対象とする。それの上に+1/+1カウンター1個を置く。ターン終了時まで、それは先制攻撃を得る。 | |
[-1]:警戒を持つ白の2/2の侍クリーチャー・トークン1体を生成する。 | |
[-2]:タップ状態のクリーチャー1体を対象とする。それを追放する。あなたは2点のライフを得る。 |
『神河:輝ける世界』にて正体判明後の姿でカード化。レアリティは神話レア。
初期忠誠度は3と低いが、初の瞬速持ちプレインズウォーカーであるため、相手の攻撃クリーチャー指定ステップ以降に出すことで攻撃対象をすり抜けて出すことが可能。
能力はクリーチャー強化にトークン展開に除去とどれも有用であり、戦場に出たターンからどれでも起動できるため、盤面の状況を選ばず活躍しやすい。
その汎用性を買われ、アグロでもコントロールでも採用されている。
ちなみに同セットでは侍フレーム・カードとボーダーレス・プレインズウォーカー・カードのイラスト違いバージョンが2種類存在し、その両方が日本人アーティストによって描かれている。
永遠の放浪者
マナコスト | (4)(白)(白) |
---|---|
カードタイプ | 伝説のプレインズウォーカー |
初期忠誠度 | 5 |
能力 | 各戦闘で、2体以上のクリーチャーでは永遠の放浪者を攻撃できない。 |
[+1]:アーティファクトやクリーチャーのうち最大1つを対象とする。それを追放する。次のそれのオーナーの終了ステップの開始時に、そのカードをオーナーのコントロール下で戦場に戻す。 | |
[0]:二段攻撃を持つ白の2/2の侍クリーチャー・トークン1体を生成する。 | |
[-4]:各プレイヤーにつきそれぞれ、そのプレイヤーがコントロールしているクリーチャー1体を選ぶ。各プレイヤーはそれぞれ、自分がコントロールしていてこれにより選ばれなかったすべてのクリーチャーを生け贄に捧げる。 |
『ファイレクシア:完全なる統一』で再びカード化。こちらはマナコストが重いものの、盤面への干渉能力が強力で、フィニッシャーとして活躍している。
常在型能力でこのカードへ2体以外でのアタックを強制的に封じてしまう。さらにトークン生成能力も持つためダメージが通りにくい。
−4能力はクリーチャーを一体だけ残して強制生贄。選択権はこちらにあるので、自分は強いクリーチャー、相手は弱いクリーチャーを残し、クリーチャー同士の睨み合いで一方的に有利な状況に持っていける。ゆえに、この能力で忠誠度を大きく減らしても返しのターンで落とされにくく、次ターンからトークン生成などでさらに有利な盤面を築いていける。
ちなみに同セットでカード化されたプレインズウォーカー10人は同セットにて新ファイレクシアに完成化さられた姿が描かれているボーダーレスマンガ版カードの特別版イラストも存在する。なお先に10人のイラストが先行公開され、内5人は本当にストーリー内で完成化させられると公表されたのだが、完成化は免れ「if」の姿止まりとなった。
決戦の後に
新ファイレクシアとの決戦は多元宇宙に多くの不可逆の変化を齎した。
その一つが多数のプレインズウォーカーから灯が失われたことであり、放浪皇もその一人であった。
だが、彼女にとってそれは最早自らの意思によらないプレインズウォークに悩まされる必要がない、ということでもある。
ようやく愛する故郷に留まれるようになった彼女は、改めてゆっくりと神河を見て回っている。