放浪者(マジック:ザ・ギャザリング)
ほうろうしゃ
MTGに登場する正体不明の謎のプレインズウォーカー。
初出は『灯争大戦』より。
「正体不明」と書いたが冗談ではなく、執筆時点では本当に正体がわからない人物。
ニコル・ボーラスの侵略を受けるラヴニカに呼び寄せられるようにやってきた。
風を纏う刀のような武器で永遠衆を切り捨てる姿が目撃されており、アゾリウス評議会はその行方を追っている。
唐突にプレインズウォークしてしまう特性があるらしく、本人はプレインズウォークしてしまわないように常に抑え込んでいる様だ。
放浪者
マナコスト | (3)(白) |
---|---|
カードタイプ | 伝説のプレインズウォーカー |
初期忠誠度 | 5 |
能力 | あなたや、あなたがコントロールしている他のパーマネントに与えられる、戦闘ダメージでないダメージをすべて軽減する。 |
[-2]:パワーが4以上のクリーチャー1体を対象とし、それを追放する。 |
『灯争大戦』収録の初登場の放浪者。レアリティはアンコモン。灯争大戦のアンコモンPWとしては定番の、マイナス能力しか持っていないタイプのPWである。
正体不明の名無しであるためか、このカードにはプレインズウォーカー・タイプが無いという表現がなされている。
常在型能力として、プレイヤーや他のパーマネントに対するダメージを全て軽減する能力を持つ為、バーンに強い……と思わせつつ、本人自身が無防備であるという弱点を持つ。
このため、火力呪文持ちには大抵放浪者自身がまっさきに標的になってしまう。
忠誠度能力はパワー4以上のクリーチャーを追放するマイナス能力。対象を大型クリーチャー(ファッティ)に限定しているものの、追放除去であるため「破壊不能」や「死亡した時」等も避けて刺すことができ、それなりに活用しどころがある。
対PW火力が少なく、ファッティが多く、なおかつ格闘による対クリーチャーダメージを除去として用いることが多い緑などにはぶっ刺さるものの、相手のデッキによっては全然機能しない為、基本的にはサイドボード向けの1枚である。常在型能力が「ダメージ」は防げても「ライフを失う」に効果がないのも痛手。
常在型能力でプレイヤーへのダメージを無効化するコンボに用いられる事もまれにあるが、この用途としては白1マナで唱えられる「ギデオンの犠牲」という優秀なインスタントがあるため、そちらに譲ることが多い。
灯争大戦のプレビュー時から一切合切が謎のニューフェイスのプレインズウォーカーとして話題に上がっており、ファンの間では正体に関して議論が絶えなかった。
エムラクール説
- エムラクールの化身である女神エメリアと姿が似ている。
- 女神エメリアにまつわるカードは白である。
- エルドラージはプレインズウォークを可能とする存在である。
- エムラクール自体はインストラードの月に封じられたが、何らかの影響で人間の姿をもった可能性がある(実際、「異界月」のストーリーではジェイスの脳内で女性の姿を取って会話している)。
- 英語名の「The Wanderer」をなんやかんやすると「Re:The emrakul(戻りしエムラクール)」になる。
などの理由から特に有力視されている説。だが、こじつけ臭い事も否めず、
- 似ていると言っても、単に女性である事とポーズが似ているだけ
- エメリア関連は白だが、エムラクール自体は普通に無色
- プレインズウォーク出来る事とプレインズウォーカーである事は全く別の話
- 「灯争大戦」関連の小説での描写は、「異界月」での超然とした様子とはかけ離れている
- 「Wをひっくり返してM」「nをu」はともかく、「dをcllにして、lとcをくっつけてkl」は大分無茶
などの反論が可能となっている。
戻ってきたエルズペス・ティレル説
白の女性プレインズウォーカーで所在が曖昧だったため(当時エルズペスはテーロスでヘリオッドに殺害され、死の国に囚われていた)。
また、テーロスでは死者が復活すると仮面をかぶり顔を隠した「蘇りし者」になる、と言うのもこの説を補強していた。
が、その「蘇りし者」と放浪者の容姿は大分違うため当時から疑問視されており、「テーロス還魂記」でエルズペスが別口で復活した事で完全に否定された。
プレイヤー自身のアバター説
開発部のスタッフであるMark Rosewaterの発言。
スタッフの発言ならこれで決まりでは……と思いきや、この発言が行われたのは4月1日である。
作中での能力・境遇・行動がアバターと言うには個性的過ぎる事もあり、あまり有力な説とは考えられていない。