曖昧さ回避
- 悲劇「ロミオとジュリエット」の登場人物。ロミオの宿敵であり、ジュリエットのいとこにあたる。
- MTGに登場する架空のキャラクター。ここで説明する。
ストーリー
イニストラード出身。元々は普通の人間であり、スカーブ師(①)見習いとして精進していた。
…が自分の才能と自制心の欠如により挫折。そのうっぷんを「他者がどれだけの苦痛に耐えられるか」という歪んだ研究に向けた。
夜な夜な研究室に小悪魔を呼び寄せるほどの邪心を得たティボルトだが、当然審問官が無視するはずもなく捕縛される。
捕まれば極刑は免れず、これまで他者に与えたすべての苦痛をいっぺんに受けることで小悪魔と融合。
半人半悪魔の存在となり同時にプレインズウォーカーの灯(②)がともり覚醒、他次元に移動できる力で逃亡した。
①…死体の部品をつなぎ合わせ使役用の生物を作る職業。分類上はゾンビだが異形の外見をしている。MTGのカードでは「ゲラルフの伝書使/Geralf's Messenger」が有名。フランケンシュタインのようなものといえばわかりやすいだろうか。
②…簡単に言うと「プレインズウォーカー(以下PW)になるための資格」。生まれつき持つかどうか決められ、持たないものはいくら努力してもなれない。ただし、使用者の正気具合は非常にバラバラ。「心身ともに有能で、健全な志を持つもの」ばかりがならないのが面白いところ。
カード性能
悪鬼の血脈、ティボルト
Tibalt, the Fiend-Blooded / 悪鬼の血脈、ティボルト (赤)(赤)
プレインズウォーカー — ティボルト(Tibalt)
[+1]:カードを1枚引き、その後カードを1枚無作為に選んで捨てる。
[-4]:プレイヤー1人を対象とする。悪鬼の血脈、ティボルトはそのプレイヤーに、そのプレイヤーの手札にあるカードの枚数に等しい点数のダメージを与える。
[-6]:ターン終了時まですべてのクリーチャーのコントロールを得る。それらをアンタップする。それらはターン終了時まで速攻を得る。
初期忠誠値:2
収録:アヴァシンの帰還・神話レア
(以上、MTGwikiより引用)
(数字で見た)マナコスト2というPWにしては異常な軽さ。しかしある意味最も重要なプラス1能力がまずい。簡単に言うと「手札の質が上がるか下がるかのギャンブル効果」。1枚引くまではいいのだが、その後が何故かランダムディスカード。土地やら切り札が使えなくなる危険性があるが、初期忠誠値の関係でマイナス能力にたどり着くには最低2回はこの博打を撃たなければならない。
で、そんなこんなで漕ぎつけたマイナス能力も弱い。マイナス4の手札依存のバーンだが、相手からするとプラス1を連打してるティボを見ればマイナス能力を使いたいことがバレバレ。撃たれる前に手札を消費してしまえばいいし、そもそもマイナス能力に行く前にそこそこ手札は使われてるので下手すると「マイナス4?どうぞどうぞ」と平気で受けられかねない。
マイナス6能力は額面上は強そうだが、「相手がクリーチャーを並べてる状態でティボの忠誠値が保てるのか?」「並べて来ない相手だと腐る(一応その場合はマイナス4能力でそこそこ焼けるが)」「プラス1能力を4回も使わされるのかよ…」など、奥義にもかかわらず問題点が山積している状態。
無頼な扇動者、ティボルト
Tibalt, Rakish Instigator / 無頼な扇動者、ティボルト (2)(赤)
伝説のプレインズウォーカー — ティボルト(Tibalt)
対戦相手はライフを得られない。
[-2]:「このクリーチャーが死亡したとき、クリーチャー1体かプレインズウォーカー1体かプレイヤー1人を対象とする。これはそれに1点のダメージを与える。」を持つ赤の1/1のデビル(Devil)・クリーチャー・トークンを1体生成する。
初期忠誠値:5
収録:灯争大戦・アンコモン
(以上、MTGwikiより引用)
2019年発売の拡張パック『灯争大戦』でまさかまさかの再登場。
PW大戦がテーマの本作に沿っての採用であり、レアリティもアンコモンで入手しやすくなっている。
存在するだけでライフ獲得を禁止する常在能力が強力であり、ライフゲインをキーに大型化していくカードに強い。その代表格となるアジャニの群れ仲間に対しては、トークンブロックからの死亡時能力で相打ちが取れるメタカードである。
なお、日本語版のブースターパックに限り、50%の確率で日本イラストレーター描き下ろしのオリジナルアート版プレインズウォーカー・カードが通常版の代わりに封入されており、
担当するのは黒葉.K氏(ユーザーページリンク参照)
嘘の神、ヴァルキー/星界の騙し屋、ティボルト
Valki, God of Lies / 嘘の神、ヴァルキー (1)(黒)
伝説のクリーチャー ― 神(God)
嘘の神、ヴァルキーが戦場に出たとき、すべての対戦相手は自分の手札を公開する。対戦相手1人につき、そのプレイヤーがこれにより公開したクリーチャー・カード1枚を、嘘の神、ヴァルキーが戦場を離れるまで追放する。
(X):嘘の神、ヴァルキーによって追放されていて点数で見たマナ・コストがXであるクリーチャー・カード1枚を選ぶ。嘘の神、ヴァルキーはそのカードのコピーになる。
2/1
Tibalt, Cosmic Impostor / 星界の騙し屋、ティボルト (5)(黒)(赤)
伝説のプレインズウォーカー ― ティボルト(Tibalt)
星界の騙し屋、ティボルトが戦場に出るに際し、あなたは「あなたは星界の騙し屋、ティボルトによって追放されたカードをプレイしてもよく、それらの呪文を唱えるために任意のマナを望む色のマナであるかのように支払ってもよい。」を持つ紋章を得る。
[+2]:各プレイヤーのライブラリーの一番上のカードをそれぞれ追放する。
[-3]:アーティファクト1つかクリーチャー1体を対象とする。それを追放する。
[-8]:すべての墓地からすべてのカードを追放する。(赤)(赤)(赤)を加える。
初期忠誠値:5
収録:カルドハイム・神話レア
(以上、MTGwikiより引用)
カルドハイムでまさかのモードを持つ両面カード化。同セットの背景ストーリーで、神を捕え成り代わって暗躍したことを反映し、軽めの伝説のクリーチャーとして出すか重めのプレインズウォーカーとして出すか選べる仕様となっている。
表面は場に出た時に相手の手札のクリーチャーを1枚追放、相手が場に出す前に使用不可にできる厄介な効果を持つ。呪文を中心としたデッキ相手には追放効果が不発になりやすとはいえ、相手の手札をじっくり見れるのでゲームの駆け引きに大きな情報を手に入れることができる。
裏面は3つの忠誠度能力全てが対戦相手のカードを追放できるもので、それらを自身の手札代わりにできる。しかもこのカードが場からなくなっても使用可能。普通に出せる頃には7マナ分の準備ができるはずなので、手札枚数差で圧倒できる。ただし、マナコストの重さの割に使ったら勝ちとなるような忠誠度能力はないのでその辺りは注意。
…とこれまでのネタキャラ評価をひっくり返すほどの序盤から終盤まで幅広く活躍できるほどの多彩な能力を持っている。
なお、両面カードは山札や墓地にある時は表面を有効とするルールであり、
モードを持つ両面カードのマナ・コストは、考慮している面の特性に基づいて決まる。
それゆえ血編み髪のエルフのような山札にある軽い呪文のマナコストを踏み倒して「唱える」効果で重PWのティボルトをいきなり出すという裏技が存在し、スタンダード以外のプレイヤーからも一目置かれるカードとなる。ただし、2021年2月のルール変更で前述の血編み髪のエルフ等、続唱持ち呪文よりもマナコストの高い場合は唱えることができなくなり、踏み倒し技をやるための手段が大幅に減ることになる。
総評
このように設定からカード性能まで歴代のPWとは全く印象が異なり、登場時に大いに話題となった。おかげで「期待の新人」という異名も持つ。ネットの界隈では甲鱗のワームやさまようもののようにカルト的人気を博していたりもする。