概要
「新・旭日の艦隊」とは荒巻義雄原作の架空戦記、「旭日の艦隊」の続編。「新・紺碧の艦隊」と物語が並行している。全18巻。
コミック版は設定監修に協力した飯島祐輔が手掛け、全22巻で完結した。原作にはないオリジナルエピソードが多く盛り込まれ、特に架空戦記とは思えないほどのコミカルなストーリーが特徴である。
2009年には作者の居村眞二の逝去により未完となっていたコミック版「新・紺碧の艦隊」の完結編に相当する「新・旭日の艦隊 須佐之男号死闘編」が発売され、1990年から始まった艦隊シリーズの長い歴史に終止符を打った。
あらすじ
物語は「紺碧の艦隊」および「旭日の艦隊」の結末で第二次世界大戦が終戦し、次に起こる第三次世界大戦へ向けて着々と準備を進めているところから始まる。
旭日艦隊は大戦末期にドイツ軍の航空攻撃によって壊滅的打撃を受けたこともあって事実上の解散となり、旗艦の「日本武尊」も日本への回航中にドイツ第三帝国のUボートにより沈められたと発表した。
が、日本は来るべき第三次世界大戦に向けて、「日本武尊」を極秘に修理・改造を行っていた。
主に登場する兵器
- 新日本武尊(しんやまとたける)/N・日本武尊(ネオ・やまとたける)
- 電光
登場人物
- 大石蔵良
海軍元帥。旭日艦隊の司令長官。
表向きは「日本武尊」とともに戦死したことになっており、僧侶として日本国内に潜伏していた。立派な髭をたくわえており、変装時にはサングラスをかけており、ダンディなおじ様のような姿をしている。
コミック版ではその昔音楽家になりたかったそうで、ピアノなどの鍵盤楽器が得意。東京にいる際には、夜のバーでピアノを披露している。
「旭日の艦隊」とは打って変わってかなり大雑把な性格をしていて、部下にツッコミをされることもしばしば。
コミック版では前世での最終階級が少佐だったことも明かされている。
- 原元辰
海軍中将。旭日艦隊の参謀長。
前作と比べやや老け顔で、髭は下まで伸ばしたチョビ髭になっている。
コミック版では司令長官である大石元帥のツッコミ役を務める。
- 尾崎亜由美
コミック版のヒロイン。実は原作では名前しか登場しなかったキャラクターの大昇格である。
前世日本からの転生者で、後世1952年に転生。中嶋飛行場で墜落事故が起き、その乗員の生存者として手向山総合病院にて入院中、意識を取り戻す。前世の自分の祖母に当たる人物であるらしい。
とあるアクシデントで無断で新日本武尊に乗ってしまい、情報漏えいを防ぐため仕方なく従軍記者として便乗を許可する形となった。
イースター島攻略作戦において前世の戦争からヒントを得て作戦を考え出した。
世代をさかのぼって転生した影響で前原一征少将と同じく超能力を使うことができ、幽体離脱でヒトラーと話すなどの超人的なことをやってのける。
いつもは丸眼鏡をかけていて髪は二つ編みにしている。その見た目から中学生と揶揄されたり、大石長官の愛人と言われることもある。
実は大石にはすでに妻がいる身なのだが、なぜか内地に残したはずの妻のことを思い出せないらしい。大石が彼女に妙に優しくしているのは何か関係があるようだが・・・
「新日本武尊」の艦内に被服部があり、彼女のために服(あくまで支給品)を作っているため1巻ごとに異なる服を着ている。
- 大高弥三郎
後世日本の総理。青風会の創設者。先の大戦末期に首相の職を辞し、一将官として蒙古決戦に挑んだ。
その後自ら戦争の責任を取り裁判に出たが、見事無罪を勝ち取った。裁判所から出てきた際に大勢の報道記者や新聞記者が質問してきた際、その中にいた尾崎亜由美を自分と同じ前世日本からの転生者と見抜いた。その後、大統領制を日本で取り入れ、自ら初代大統領に就任する。
- 高野五十六
軍令部総長。前世昭和十八年に戦死した山本五十六が転生した姿。
紺碧会の創設者であり、旭日艦隊・紺碧艦隊の創設者でもある。
紺碧艦隊司令。海軍少将。紺碧艦隊旗艦「須佐之男号」に搭乗しており、照和十六年に戦死したものとされている。
紺碧艦隊そのものが秘密部隊となっているため、彼を初めとする紺碧艦隊の乗組員はすべて戦死したと公表されている。これについては大石をはじめとする新日本武尊乗組員も同様である。
内地や大陸で誰かに会う場合は従軍画家の「富嶽太郎(とみたけたろう)」という偽名で活動している。昔は画家を目指していたため、絵はかなり上手い。