概要
有害図書(ゆうがいとしょ)とは、性・暴力・自殺・犯罪などに関して、露骨な、もしくは興味本位の取り上げ方をし、青少年の人格形成に有害である可能性があるとして政府や地方自治体などによって指定される出版物。
しかしその有害図書指定の基準に疑問を抱かれるケースもある。
一般的な出版物だけでなくゲームソフトなども対象となる場合がある。
東京都の条例では「不健全図書」という名称を用いている。
有害図書は自治体の条例によって指定されるので、その法的効力は原則的に各自治体の領域内にしか及ばないが、東京都による不健全指定は、出版倫理協議会やAmazon.comにおける自主規制の基準となっているため、全国的な影響力を持っている。
その歴史と変遷
古くは手塚治虫の少年漫画であり青少年向けの性教育を意図して書かれた『やけっぱちのマリア』が1970年に福岡県の児童福祉審議会から有害図書の指定を受けている。
2010年代後半以降は東京都の不健全指定図書の大半がボーイズラブ作品となっており、参議院議員の山田太郎氏は、こうした青少年健全育成を理由としたBLの規制に危惧を表明している。
その名称の是非について
各都道府県の条例に「有害図書」「有害図書類」が定められていることがあるが、その名称が誤解を与えるとの議論が出ている。
大阪府では2024年12月16日、 大阪府青少年健全育成条例に定める有害図書の表記について、「有害図書」という言葉が誤解を与える可能性があることから、名称変更を行うこととしましたので、お知らせいたします。 と名称変更が行われた旨発表された(参考文献・大阪府HP)。
- 例・「有害図書」→「大阪府青少年健全育成条例第13条に定める図書類」「(略称)13条指定図書類」