概要
西暦2025年。財閥の御曹司である舞鶴太郎は、勤務先のイラクにも襲来した地球規模の大寒波から逃れるために、その家族と共に社屋地下のシェルターで人工冬眠に入る。
寒波により現代文明が滅んだ500年後の2525年に目覚めたのは、太郎一人だけだった。
愛する家族も財産も全て失った太郎は自殺を図るも、失敗。「どうせ死ぬなら、せめて生まれ故郷がどうなったかを確かめてからにしよう」と決意すると、理想の暮らしと生きがいを求めて、シベリア鉄道の跡を頼りに、祖国「日本」を目指す。
既巻単行本6巻目。「豹のエンリル」「大祭り」「東の村」「ヤープト村」と物語は進行し、
2022年、連載第七部「大都マリョウ」編突入。
登場人物
- 太郎
本名・舞鶴太郎。大寒波から500年の眠りから目を覚ます。妻子がシェルターで干からびて死んでいたのを見ると一時は自暴自棄に陥り自殺を図るが、失敗。「せめて日本がどうなったかを確かめてから死んでやろう」と考え直し、故郷日本を目指して東の彼方を目指す。
戦いは苦手だが、元大企業の支社長という経験もあり、土壇場の交渉で事を有利に運ぶこともある。
しかし現代人の感覚で物事を考えがちで、500年後の人類の倫理観(人命の軽さや奴隷など)に面食らったり、足元を掬われることもある。
- パル
狩人。文明を嫌う。プリという妹がいる。
作中でもトップクラスの身体能力と戦闘力の持ち主で、特に嗅覚は人間離れしている。
太郎と思想の違いから対立することもあるが、説得によって考えを改めることができたりと、単なる頑固者ではない(とはいえ独断で重要施設に侵入するなど、腕っぷしに頼ってしまう面もある)。
- ミト
パルに拾われた少年。空を飛ぶことを夢見ている。
太郎達と共に祭り(エンリルと呼ばれるヒョウを狩ること、これを経て"人"と認められる)に望むが……
- プリ
パルの実妹。東の村で出会うものの、すぐさま大都マリョウへ移る事に。
その後しばらく登場していなかったが、太郎達がマリョウにたどり着く頃には意外な立場になっていた。
- ハッタ
ヤープト村の祭司の次男。
不良然としているが、人は平等であるという考えを持っており、村から多額の税を徴収するマリョウや、それに従う村に嫌気が差し出奔した過去がある。
太郎との出会い、ヤープト村をマリョウの支配から解放するため行動を共にする。
- トゥルン
ヤープト村の女傑。パルと戦うこととなるが、その最中でまさかの恋に目覚め(太郎曰く、お互いの鋭い五感が反応し合った)、パルとの間に子供を作る。
2年後には再び旅に出るパルと太郎を見送った。
- マリョウ
大都マリョウを創設した王族の事を指す。今現在は前王が急遽し幼い息子とその母ギョンに王位と権限を任されている…
- マー
マリョウが交易を行う村に渡す円形の大きな石(渡された個数によって村の等級が決まる)。
レアメタルが含まれており、破片を燃やした際の炎色反応で真偽や価値を判断する。
この時代にレアメタルは使い道がないが、炎色反応の神秘性などもあって多くの人間が価値を見出す=お金として扱われている。
本作において重要な存在である。
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へうげもの - 同作者前作タイトル