解説
末期戦は、ある勢力が圧倒的な劣勢に追い込まれてもなお戦うことを強いられる、絶望的な戦争末期の状況。主に大規模な勢力間の対決で生じる。
近代であれば城塞や陣地に立てこもり最後の抵抗を続けるも、多数の敵を前に押し切られて制圧される、あるいは兵糧攻め的な状況により壊滅するといったものが多い。
一方、第一次世界大戦や第二次世界大戦といった総力戦の時代では、数千万規模の国民を抱える大国が数的有利の敵勢力を前に、それまで国を信じて戦ってきた兵士や得てきた占領地、共闘してきた同盟国を次々と喪失、最終的に自国領土までをも蹂躙され、全てを失うことが誰の目にも明らかとなるが、それでもなお、政権や上層部の無謀な意向により戦いの継続を余儀なくされる。
そして、あらゆる喪失の集大成ともいうべき大スケールの絶望が、兵士から一般人、老人から子供、あるいは攻勢側の兵士や指揮官に至るまで、そこにあったあらゆる世界を覆いつくし破壊していく...
...と、いったものが多い。
...だが、なぜかそういったものに惹かれる人間は一定数存在する。それがある意味でロマンたる最終決戦であるがゆえか、はたまた絶望・破滅の美学なのか。
その理由は、きっと人それぞれだろう。