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概要編集

 日本各地に伝わる“蜘蛛ヶ淵伝説”に登場する蜘蛛妖怪


 山奥にある淵の主という場合が多く、有名どころでは「賢淵」という場所でとある男が釣りをしていたが、魚を釣っている際に1匹の小さな水蜘蛛が何度もやって来ては水に浸していた足の指に何度も糸を掛けては戻って行くという行為を繰り返していた。

 男は気味悪く思い、蜘蛛の隙をついて近くの大木の根に糸を擦り付けて釣りを続けていた。

 やがて魚籠いっぱいに魚が連れた為、そろそろ切り上げようとした所、沼の底から「沼の底から次郎も太郎も皆来い」という不気味な声が聞こえたかと思うと、魚籠の中の魚が一匹残らず飛び出し沼へと入って行き、暫くするとすさまじい大音量と共に大木は淵の中へと引きずり込まれていった。

 男は驚き恐れおののいてその場に立ち尽くしていると、水中から「賢い、賢い」という声が聞こえて来たという(ちなみに糸をそのままにしておいたが為に、そのまま水の中へと引きずり込まれてしまったというパターンもあるらしい)。


 また、水蜘蛛ではなく、絡新婦が滝の主というパターンもあり、こちらでは前半は“蜘蛛ヶ淵伝説”と同じだが続きが有り、滝の主が絡新婦だと知った村人たちは恐れおののき誰も近付かない様になっていたが、そんな事とは露知らず、村の外からやって来たが木を切りに滝へとやって来た際に謝って大事な仕事道具を滝壺へと落としてしまった。

 大事な仕事道具を拾うために滝壺へと潜った樵はそこで1人の美しい女性に出会った。

 女性は樵に落としたを渡すと、決して自分の事を誰にも言ってはいけないと口止めをして男を返した。

 樵は長らく言いつけを守って誰にもその事を言わなかったが、ある日酒の席で酔った勢いでうっかりその時の出来事を話してしまうと、まるで見えない糸に引かれるかのようにフラフラと夜の闇夜へと消えて行き、二度と姿を見せなかったという。


関連項目編集

妖虫 水妖 妖怪 賢淵

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