「失礼。記憶の共有はされていないのですね。余程逼迫していたのでしょう。―わたしは烏丸黒衣。あなたが今なられている方の侍従を務めております。万が一の事態に備え、対応を言付かっておりました」
人物
彩禍の侍従を名乗っている少女で常に冷静沈着で無表情で、あらゆる魔術師や魔術に詳しい。彩禍が無色と融合したことを唯一知っている人間で、魔術に関する知識がない無色の代弁もしており庭園内の会議や交流戦などにおける他の組織の重鎮など会話したり、提案している。
基本無表情であるが無色が彩禍絡みでふざけたことをしたり、他の女性と絡んだりしていると蔑んだ表情を浮かべる。
また無色は興奮すると魔力が乱れ、存在変換を起こし彩禍状態から元の無職の姿に戻るため。彩禍の状態に戻すためにキスをして魔力を送って彩禍の姿に戻す行為も行っている。
学園で万が一彩禍から無色に身体が戻ったことを誰かに診られた時の場合も想定し、自らも無色と共に〈庭園〉に編入した。
正体
無色は瑠璃から今まで彩禍に侍従はおらず。無色が彩禍と融合した後の定例会で始めて会った。それを聞いた無色は黒衣に問い詰めると凄絶な笑みを浮かべた。
「—―――なぁんだ。気づいてしまったのかい?」
それからすぐに襲撃者が放った攻撃から無色を庇い瀕死の重傷を負ってしまった。
ここからはネタバレになるので気を付けて下さい
襲撃者である未来の彩禍に勝った無色は黒衣に跪いた。
「ありがとうございます、彩禍さん」
「不思議なことを仰いますね。なぜそう思うのですか」
「なぜって言われたら困りますけど………強いて言うなら……雰囲気?」
それを聞いた黒衣はおかしくてたまらないといった様子で笑い出した。そして、笑い終えると優しげな微笑みを浮かべた。
「こういう場合も久しぶり………ということになるのかな?―――改めて、〈空隙の庭園〉学園長、久遠崎彩禍だ。よくやってくれたね、無職」
黒衣の身体は彩禍自身に万が一のことがあった場合の魂の退避場所ー義骸として用意していた人造人間(ホムンクルス)である。自分の身体が生きている以上、襲撃者がもう一度狙ってきた場合に備えて、侍従を名乗りサポートに徹していた。